第3話『鬼は現れ、惚気る』

ぼっちな人間が向かうところと言えば、校舎裏・屋上・空き教室……このどれかに落ち着くであろう。


俺は現在屋上に来ている。この学校の屋上は以前には開放されていたようで、屋根付きのベンチに容易に超えられないような高いフェンス、一部には人工芝が引かれている。


尤もこんなにも快適で魅力的な設備が揃っているというのに、人気はなく今では屋上へ続く扉も錆びついている。そして鍵がかけられて入るのも禁止されている。


以前偶然にも合鍵を手に入れることが出来た。それ以来この屋上は実質俺専用のスペースと化している。


そんな屋上なのだが……何故か鍵が開いた状態で、扉も少し開いていた。毎回必ず鍵をかけている筈なのに何故開いているのか。俺は焦り、そのまま勢いで扉を開いた。


其処には……青鬼が人工芝に引いたレジャーシートの上に鎮座していた。


は不気味な程に笑顔で、此方に気づくと笑顔のまま手招きをした。勿論逃げる事は容易であった筈である。しかし何故か身体は逃げようとすることもなく、ブラックホールに吸い寄せられる様に俺は近づいていった。


「しゅ〜うく〜ん?土曜日の女は一体誰なのかなぁ?」


「その唯の友達だよ」


「秀くんにあんな友達がいるとは思えないなぁ」


俺を追及する葵はじと目である。


「トモダチダヨ。オレウソツカナイ。」


「へぇ〜。未だ言い逃れするんだぁ。これを見ても言い逃れ出来るのかなぁ?」


そう言いつつ突き出してきたのは、何枚かの写真だった。桃さんの腕を掴む俺、Round1で桃さんに卓球を教える為に背後から抱きつく格好となっている俺、桃さんといかがわしいホテルに入ろうとしている様に見れる俺……三球三振アウトである。


「こ……めな……い」


「えっ?米無い?」


「ごめんなさい。彼女はレンタル彼女です。和真に勝手にレンタル予約させられました」


「佐々木くんの所為にするんだ。一條財閥の御曹司たる秀くんが人の所為にするんだ」


「申し訳ありません。私が悪うございました」


「次からは気をつけてよね?秀くん♡」


……なんで謝っているのだろうか?訳も分からぬまま葵に「秀くん一緒に食べようよ♡」と呼ばれた。


あれ最後の方語尾にハートが付いていなかったか?気のせいなのだろうか……


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


結構書いたつもりだったのですが然程書けていませんね……木曜日に続きを更新しようと思います。文量増やせずに、申し訳ありませんでした。

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