第4話


ー白石和奏ー

 見てしまった。うちは、普通の会社員で、普通の上司がいる、はずだった。うちは、昨日上司の見てはいけないところを見てしまった。それから、悩みに悩んだ、一日中頭を抱えた。だが分からなかった。どうしてあの真面目な佐野先輩が……連れて帰ったのは

「女子、、校生」

明らかに女子高生だ。夜にセーラー服を着た少女を家に連れて帰るなんて先輩らしく無さすぎる。

「やっぱり……聞くしかないかな……」

いつもは念入りに洗う顔も、今日は雑に洗った。携帯を開き、LINEをやっていない佐野先輩のメールアドレスを探す。今どきLINEをやっていない人はめずらしいがそれが先輩っぽい。メールに(今日の仕事後、残業がなければ飲みに行きませんか?)先輩のことだから、きっと残業なんてしないだろう。残業をしそうなのはうちの方だ。

「今日はちゃんと頑張らなきゃなっと!」

勢いよく家を出る。そういえば、今日は朝ごはんを食べていない。まあ、遅刻ギリギリになるよりはマシかな。

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