第二話 異世界(現代)に飛ばされた今日この頃2
色々と急すぎないか父さん。俺はそんなことを思った。俺が学校へ通っているときに親のハンコが必要な手紙を提出日の朝に出したらものすごい怒っていたくせに。これも全て親子だからなのだろう。
そんなことを考えながら俺はぼーっとしている頭をだんだんと動かしていった。
そして目を開くとそこはどうやらどこかの個室トイレの中のようだ。しかも妙に広い個室だ。とにかくここから出ようと思い扉を横にスライドさせ開いた。開いた先には大勢の人が沢山歩いていた。その上これは何かの施設の中のようだ。周りを見回して見ると、黒い階段が動いているではないか。そしてしばらく立っていたらアナウンスがあった。
「電車がまいります。黄色い線の内側でお待ちください……」
そのアナウンスはどうやらこの動く階段の下から聞こえてきた。俺は少し恐怖心があったまま、この動く階段に乗ってみた。なんとも不思議な感覚だった。そして下の階に到着した。なんとそこは屋根は着いているものの屋外であった。大勢の人が列をなして何かを待っているようだ。そしてプワァーンという音と共に四角い箱のようなものが滑りこんできた。そしてその箱は俺たちの前で止まった。箱の横には長方形の扉が着いていた。その扉が開くと同時に大勢の人が箱から出てきた。
また、列をなしていた大勢の人達は箱の中へ吸い込まれていった。俺は唖然としていた。そうしていたら、箱から出てきた人達に流されるようにまた動く階段に乗っていた。今度は上に戻っていた。そしてそのまま今度は改札と書かれたボードに向かっていた。そしてそのボードの下にたどり着き細長い機会の間を通り抜けようとした時、ブーー!となりその細長い機会は赤色にひかり、俺を通せんぼするように緑色の四角いものが出てきた。
俺は本能的にここは俺は通れないのだと判断して人の波をかき分けて空いているとこに戻ってきた。そこは先ほど出てきたトイレのようだった。よく見たらトイレは3つあるようで左側に男用、右側に女用とあり、真ん中に多目的トイレというものがあった。これは何に使うのだろうか。そんなこと考えていたら後ろから女の人に話しかけられた。
「どうしたのですか?このような場所で棒立ちして?」
そう話しかけてきた女の人、というよりは女の子は俺とあまり歳は変わらなさそうだった。髪の毛は背中の真ん中くらいまであり、毛色は黒色だ。綺麗と可愛いの中間というとこだろうか。
「私の顔になにか付いてますか?」
「いやいやいや!な、何も、付いてないであります!」
俺はこの世界に来てから初めて人間と会話したうえに最初がこんな可愛い子だなんて…
めちゃくちゃ緊張している。
「では、どうなされたのですか?」
「あ、あの、黒い細長い機械に行く手を阻まれていて、出口はあっちだと看板に書いてあるのだがたどり着けないのだ。どうしたらこの試練をクリアできるのだろうか?。」
「黒い細長い機械って自動改札機のことですか?」
「自動改札機?なんだそれは?」
「あれのことですよ。」
彼女は先ほど俺が邪魔された機械の方を指さしてそう言った。
「切符とか持ってないのですか?」
「なんだそれは?」
「切符を知らないのですか!?」
彼女はものすごく驚いていた。俺は異世界初めてなのだから仕方ないだろうと思っていた。そして彼女が急に神妙な面持ちになり俺に聞いてきた。
「あなた記憶喪失?」
「違うぞ!俺はただ異世界に来たのが初めてなだけなんだ!」
俺はなぜかその発言をした瞬間にあたりの人達にすごい見られた。なぜだ?
すると急に彼女に腕を引っ張られた。
「ちょっと私の家に来てください!ここではお話出来きません!」
「何をするんだ!?」
「ハレンチなことをするわけではありませんよ!」
「そんなことはいいのだ。それより君は誰なんだ!」
「私の名前は梓恋雪です!」
異世界(現代)に飛ばされた今日この頃 そ〜てぃ〜 @NicoYoha87
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界(現代)に飛ばされた今日この頃の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます