11話 一緒
友達だと思ってた莉彩ちゃんにそんなことを言われて、ショックだったし悲しいと思った。
だって、だって、お家にも呼んでもらえて、莉彩ちゃんの秘密だって教えてもらった。
友達が出来たんだって嬉しかった。
「律葉ちゃんがどう思っているか、私には分からないけれど、昨日のことで嫌われても仕方がないって思う。むしろ嫌いになる人が多いと思うもの。」
「でも、昨日急に帰っちゃったから、どうしたらいいのか分からなくて……。律葉ちゃんのお家に、気がついたら来てた。」
「友達がいたことなんて無かったから、律葉ちゃんが私の事どう思ってるかも分からなくて、でも、話がしたいって、思って……。」
うつむいたまま、寂しそうな声で莉彩ちゃんが話してくれる。
ほっとしちゃいけない気もするけど、「莉彩ちゃんもどうしたらいいのか分からなかったんだ、私と一緒の気持ちだったんだ」って安心しちゃった。
「嫌いじゃないよ。」
「……え?」
「莉彩ちゃんのこと、私嫌いなんて全然思ってない。あんまり知られたくないこと教えてくれて、猫ちゃんとも遊ばせてくれて、お家に呼んでくれて、すごく嬉しかったよ。
……でも、あの時、なんて言ったらいいのか分からなくて、何も分からない私がなにか言っても莉彩ちゃんを傷つけちゃうかもしれないって思ったし、それに好きとか嫌いとか……私よくわかんない。」
「でも、莉彩ちゃんのことは、絶対に嫌いじゃないよ。」
上手く言えてるかな、傷つけてないかな。
私とこれからも仲良くしてくれるかな。
不安だけど、こういうのってなんか、なんとなく、話し合うべきだと思った。
すれ違ったままになっちゃったら、もっと悲しいから。
「どうしたらいいか分からない」って、一緒の気持ちだったってことは、話し合ってお互いの気持ちがもっと分かれば、これからもっと仲良くなれるかも。
なんとなくだけどそう思った。
……こういうに思える相手のことを、好きな人っていうのかな?
私が僕になるまで 深山雪華 @miyamayuzuha
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