4話 お誘い

「さっきは助けてくれてありがとう。莉彩ちゃん、頭いいんだね」

「ううん、そんなことないよ。…前の学校の方が授業が進んでただけだから。」

何故か莉彩ちゃんは少し無表情じゃ無くなり、戸惑っているような気まずそうな複雑な表情だった。


『 なんでだろう?変なこと言ったかな?』

そんな考えが顔に出ていた様で、

「なんでもないの。気にしないで。」

また無表情に戻っていた。


「それより、放課後私の家に来ない?」

唐突なお誘いだった。家に来るか、と聞かれていることがどういうことか、友達がいたことがない私は直ぐには理解出来なかった。

「莉彩ちゃんの家?何するの?私行っていいの?」

「遊んだり、勉強の教えあいっことか。私、算数は前の学校の方が進んでたけれど、他は遅れてるみたいでついていけそうにないから、私は律葉ちゃんに算数を教える。律葉ちゃんは私に算数以外を教えるの。」

私は莉彩ちゃんの説明を聞いてようやく遊びに誘われていることに気付いた。


「私と、遊んだり勉強の教えあいっこしてくれるのっ?もちろん莉彩ちゃんのお家に行きたい!!」

本当に嬉しくて嬉しくて、放課後が待ち遠しかった。


「…良かった、これでおばさんも安心してくれる。」

そんな莉彩ちゃんの呟きが聞こえないくらい。



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