人生の半分以上。

君と過ごした人生はとてもステキな人生だったよ。


後悔は……少しあるかな。


でもそれは、僕の意志の弱さが招いた結果。


君は何も悪くない。


子供の頃から君は、僕の中心だったね。


友達と遊ぶ時も君がいてくれた。


仲良くなるきっかけが君だった時もあったよ。


一人暮らしの時は酷かった。


今じゃ笑い話だけど。


君としか会話していなかったんじゃないかな。


夢なのか現実なのか怪しい時もあったんだ。


選択肢が出てくるんじゃないかって思った。


一度、本気で君と別れなきゃって思った。


でも、少しの時間離れただけなのにさ、手が震えたんだ。


あぁ、君無しじゃ生きれないんだって思ったよ。


酷いヤツだな。


僕も君も。


あれから僕も大人になった。


君とも上手に付き合えるようになったよ。


ごめん、嘘だ。


いつになったら上手に付き合えるのかな。


僕にはムリかもしれないや。


ごめん、好きだ。


好きすぎるとダメになるらしいよ。


適度な距離感がいいんだってさ。


ごめん、愛してる。


だってさ、君はもう僕の人生の一部だから。


僕を作ったのは君だよ。責任取ってくれる?


なんてね。


これを愛って呼んでいいのか分からないけど、


君を手放すと僕は困ってしまうから、


愛って呼んでもいいんじゃないかな。


色んなカタチの君が僕を苦しめる。


いや、楽しませてくれてるんだった。


子供の頃、夢中になって走って飛んでた。


学生の時は……皆で競ってた。誰が一番か。


色んな一番を競ってた。


大人になってからは……種類が増えすぎて分からないや。


君はどう思ってたのかな?


親みたいに怒ってたのかな?


友達みたいに一緒に楽しんでいたのかな?


小さい画面ばかり見ているから浮気だって怒ってるかな?


きっと、何も感じていなかったよね。


ごめん、また君とも遊ぶから許してくれ。


段ボールの中に入っていた君を取り出し、


僕は電源を入れる。


今は最新の機械でさ、昔の君とも遊べるようになったんだぜ。


新しいテレビから8ビットの音楽と映像が流れる。


「ハハハ。」


笑い声はお酒と音楽にかき消されるが、


心は弾んだままだ。


僕をいつでも少年にしてくれる。


君を心から尊敬し愛してます。


これからもよろしく。



「……世界の半分をお前にやろう」

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