呪いの鏡
@19670801
第1話…彼女の呪い
これは、ある町でのお話…。
ある会社に勤めている「麗子」という綺麗な28歳の女性がいました。会社では、いつも男性社員には、ちやほやされ、女性社員からも好かれ、麗子は、順風満帆な生活を送っていました。
…そんなある日の事、この会社に中途採用として、1人の女性が入ってきたのです。
彼女は「優依」という二十歳のかわいい女性で明るく、愛想もいい性格だったので、すぐに周りの人気者になっていきました。
始めは、麗子も他の社員同様、性格のいい優依と仲良くしていたのですが、優依の会社の評判や人気が上がるにつれ、麗子の心の中に、優依に対する嫉妬心が生まれきました。
……いつの日からか、麗子は優依とほとんど会話がなくなり、優依もそれに気がついて、2人は全く話さなくなってしまいました……
そんな日々を送る中、麗子は帰宅すると今日も趣味のスマホいじりを始めました。以前なら、かわいい動物やインスタ映えする物や場所などを検索していたのですが、最近は、「呪い殺す方法」とか「完全犯罪」などのワードで、いろいろ調べて、その為の道具を取り寄せりしていました。その時の麗子の顔は、まるで狂った人殺しのようでした。
ある晩、この日も麗子はスマホをいじり、いろんなワードを入れていました。すると画面に「嫌いな奴を確実に呪い殺す方法」という項目が出てきたのです。
普段の麗子なら、こんなバカな事は信じないのですが、今の麗子はもう普通ではありませんでした。最近では、ノーメイクで、頬は痩せこけ、あまり寝ていないのか、目は血走っていました。」
この「嫌いな奴を確実に呪い殺す方法」に従い麗子は、夜中1時50分、真っ暗な部屋の中、三面鏡の前に座り、三面鏡の両端にろうそくに火をつけ立てました。
……そして、スマホに書いてあたった呪文を唱え始めのです。
最初はたどたどしい感じでしたが、だんだん悪魔が乗り移ったかのようにスラスラ唱え始めたのです。そう、悪魔のように。
風もないのにろうそくの火は、激しく揺れ始め、麗子は何かに取り付かれように呪文を唱えながら、体を左右に揺らして、頭は前後に振っていました。
スマホには、「深夜2時に呪文を唱えた直後、呪った相手に何かが起きる」書いていました。
……1時58分……
……1時59分……
2時になりました。
確実に呪い殺せるのなら、今頃、優依はベッドの上でもがき苦しみ死んでいると思いました。しかし……
もがき苦しんでいるのは、麗子の方でした。麗子は首を締め付けられたのか、目を見開き、口を池にいるコイのようにパクパクさせ、両手を自分の首に当て、目から涙を流していました。
「どうして……どう……し…て……?!」
これが麗子の最後の言葉でした。
しかしなぜ麗子は死んでしまったのでしょうか?
後でわかった事ですが、実は優依は、麗子の呪いの死の呪文により、亡くなっていたのです。それも麗子と同じ三面鏡の前で。三面鏡の両端には、途中で消えたろうそくが立っていました。
麗子だけでなく、優依も麗子の事をかなり嫌っていたのです。
……え?なぜ、そんな事がわかるのかって?だって、私は優依と麗子の勤めてた会社の同僚だったから。
私は元々2人の事が大嫌いで、2人にこの呪文の事を教えたら、思った通り、相手を呪い殺してくれたのです(笑)同時に死んでくれたのは嬉しい誤算でした。本当は、呪い殺した方を私が呪い殺すつもりでしたから。
これを読んだあなたは、決してスマホでさがしたり、マネをしないで下さいね。ホントに死んでも私は責任取りかねますので。
最後に………
この話は、全てフィクションです。信じた方ごめんなさい。あくまで小説なのでご理解下さい。
呪いの鏡 @19670801
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