内診ってこんな感じ

 不妊治療を始めたら、どんな病院であれ、おそらく内診は避けて通れません。内診とは、一言で説明すると、膣に検査器具を挿入して子宮の状態を調べる診察です。私は過去に流産しており、その時に初めて内診を経験しましたが、ものすごいカルチャーショック(カルチャーじゃないけど)を受けました。いや、だってそりゃ、膣に機械ぶち込まれるとかイヤでしょ普通。


 内診の経験がない方は、イメージがわかないと思うので、検査の流れをここで少しだけ紹介しましょう。まずは、脱衣エリアでパンツを脱ぎます。スカートは、めくって診察できるので、タイトスカートでない限り脱がなくて構いません。逆にズボンは脱ぐ羽目になるので、内診のある日はスカートで病院へ行くのが望ましいです。今ズボンと言いましたが、最近の若者は「ズボン」を「パンツ」と呼ぶそうですね。お前いくつやねんと思った方、自分は昭和55年生まれです。


 内診台は一見普通の椅子ですが、座ると電動で持ち上がり、背もたれが後ろへ倒れ、座面が左右にウィーンと割れます。要は、大股をかっ開いて仰向けに寝転んだ状態になるわけです。最初は羞恥心がとんでもない状態になりますが、胴体から下はカーテンで仕切られているので、医師と目が合って気まずくなる心配はありません。そうこうしていると、心の準備をする隙もなく、検査器具が大変スムーズに挿入されます。いやまあ、待たされても落ち着かないから、手っ取り早い方がいいんですけど。


 なお、痛さの感じ方には個人差があるようですが、私は内診を受ける時はいつも痛いと感じていました。緊張と警戒心でガチガチなので、よく看護師さんに「リラックスしてくださいね~」と言われましたが、膣に検査器具ぶち込まれつつリラックスできたら精神構造おかしくね? ですが試行錯誤の結果、深呼吸しながら全身の力を抜くと、少しだけ痛さが和らぐことに気が付きました。深呼吸は偉大。とはいえ、そんな小さな自信と発見も、後で書く造影検査で吹き飛んでしまうわけですが……。


 通院を始めると、血液検査の注射も頻繁にありますが、内診がこれだけつらいと注射なんて可愛いものだと思えてきます。その後3年間治療を続けましたが、内診だけは、今でも本当に気が進まないですね。

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