第46話

オーナーさんは、ニッコリして、頷いた。


「わかったわ!!

じゃ、今日は…?」


私は、言った。


「出来るだけ早く、地球に戻らなければなりません…

これからすぐに帰り支度をして、大陸間鉄道に乗ります。」


オーナーさんは、腕時計を見ながら、言った。


「私も、これから大陸間鉄道に乗って、灼熱ノ岩流ルル国に向かうから…

ちょうど、落ち会えるわね…!!

明日の朝に…

灼熱ノ岩流ルル国で!!」


彼女は、頬を少し紅くして、ニコニコしながら、言った。


「お会い出来るんですね!!

オーナーさん!!

ありがとうございます!!」


オーナーさんは、目を細めて、ニコニコしながら、言った。


「楽しみねぇ~!!

なんだかドキドキしちゃう…」


私は、言った。


「…あまり長い時間は、ご一緒出来ないかもしれません…

たぶん、1便あとの大陸間鉄道に乗ることになると思いますから…

一刻も早く、地球に戻らなければならないと思うので…」


オーナーさんは、頷いて、言った。


「それでいいわ。

マスターとパヌ、シーさんには、私から連絡しておくわ。

たぶん、ふたりとも、付いて行きたいって言うんじゃないかしら?」


彼女が、訊いた。


「…付いて行くって、地球へですか?」


オーナーさんは、少し首を傾げて、答えた。


「…それは、マスターとパヌ、シーさんが、自分で決めることね…!!

この星に残るのか…?

おふたりと一緒に、地球に行くのか…?」


私は、頷いて、言った。


「わかりました!!

では、これから、灼熱ノ岩流ルル国に向かいます!!」


オーナーさんは、ニッコリして、言った。


「じゃ、また明日ね!!」


オーナーさんは、ニコニコして、手を振りながら、通話を終えた。


彼女と私は、見つめ合った。


そして、強く、抱き締め合った。


彼女は、虹色の瞳を、地球色に輝かせながら、言った。


「一緒に、地球に戻ろうね!!」



私たちは、出立の準備を終えた。


ネー、ベルとパヌ、シーさんが、ロビーで待っていた。


ネー、ベルは、訊いた。


「オーナーからお話は伺いました。

地球に戻られるんですね?」


私は、言った。


「うん。

君は?」


ネー、ベルは、言った。


「…私は…

決めかねています。」


私は、言った。


「珍しいね。

君が悩むなんて…」


ネー、ベルは、言った。


「…そうですか?

通り道までは、お見送りさせて下さい。

それまでに、どうするか、決めます。

自分で…」


私は、頷いて、言った。


「いいよ!!

パヌ、シーさんは?」


パヌ、シーさんは、チラッとネー、ベルを見て、答えた。


「…私は…

…私も、もう少し考えさせて下さい。

通り道まで、おふたりを、お見送りさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」


彼女は、少し含み笑いをしながら、答えた。


「もちろん、いいに決まってるじゃない?!

みんなで、オーナーさんに会って、それから、黄色キ大地ノ国の通り道まで、行きましょ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る