第43話

オーナーさんは、深々とお辞儀をした。


記者さんたちの間から、割れるような拍手と歓声が上がった。


オーナーさんが、ステージから降りると、記者さんたちが駆け寄って来て、握手と、プル、ンケ、ルム、ベズ風のハグの嵐で迎えられた。


笑顔と歓声とハグの渦に包まれて、もみくちゃになりながらも、オーナーさんは、笑顔を振り撒きながら、誰彼となく、握手とハグを返していた。


私たちは、口をポカンと開けて、モニターに映るオーナーさんの様子を見ていた…


記者会見場から、ようやく、記者さんたちが立ち去って、ひとりになったオーナーさんは、ヘアスタイルを整えながら、言った。


「プル、ンケ、ルム、ベズの人たちって、控えめな性格の人たちが多いんだけど、スキンシップは、みんな、スッゴイ情熱的なのよね…」


頬を赤らめて、瞳に泪を浮かべたオーナーさんは、照れ臭そうな笑顔で、訊いた。


「そちらのみんなは?」


彼女が、カード端末を引き寄せながら、答えた。


「大丈夫です!!

オーナーさん!!

スゴイ人気ですね!!」


オーナーさんは、照れ臭そうな笑顔で、答えた。


「みんなのおかげよ…

みんな、今日は、本当に、本当に、ありがとう…!!

素晴らしかったわ!!」


彼女も、こみ上げて来るものを堪えながら、言った。


「オーナーさんのおかげです!!

オーナーさんがいらっしゃるから、私たちも頑張れたんです…!!

私たち、ちゃんと出来ましたか?

オーナーさん?」


オーナーさんは、微笑みながら、力強く頷いた。


「完璧よ!!

やりきったわ。

私たち…

今、私たちがやるべきことを…

この星に生きる、大切な存在を守るために…!!」



彼女は、訊いた。


「オーナーさん…

この星の皆様は、私たちの話を聞いてくれたんでしょうか?」


オーナーさんは、ニッコリして、答えた。


「もちろんよ!!

私たちの願いは、この星の人たちの心に届いたわ!!

私は、信じてる。

きっと、奇跡を起こしてくれるわ!!

災いを、幸いに変える奇跡を…!!」


私たちは、頷いた。


オーナーさんは、腕時計を見て、言った。


「よし!!

今日は、ここらへんで、お開きにしましょ!!」


私は、通り道のことを、オーナーさんに切り出そうかどうか、迷った。


オーナーさんは、通り道のことに、気付いているのだろうか…?


…巨大噴火が起きれば、通り道は…


オーナーさんは、ニコニコしながら、言った。


「今日は、本当に、本当に、みんな、最高に、素晴らしかったわ!!

完璧だったわ!!

幸星さんも…

星美さんも…

マスターも…

パヌ、シーさんも…

みんな、よく頑張ってくれました!!

本当に、本当に、ありがとう!!

お疲れさま!!

じゃ、また明日ね!!」


まるで、花嫁のような、幸せいっぱいの笑顔で、オーナーさんは、手を振りながら、通話を終えた。


彼女は、虹色の瞳をキラキラさせて、言った。


「オーナーさん…

宇宙一幸せそう…!!

まるで、この星に、お嫁入りした花嫁さんみたいね!!」

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