第3話 "楽園"
3.1 導入:束の間の日常からの出立
■成長報告
ガイゼリック : フェンサーが10、エンハンサーが2に。熊の爪を専用化、トレハン表で当たった幸運の羽を装備。マリーナからもらった大きな手袋はまだ装備せず、今後首切り刀の装備を念頭において成長するつもり。
マリーナ : お姉ちゃんのマリーナだよ~♪技能はセージが9になって《マナセーブ》をもらったよ~。言語は故郷の言葉のブルライト語を思い出した~。あと新しくアルケミストを1レベルとって【パラライズミスト】できるようになった~!これでアミの攻撃も当たるといいね~。パラミスの射程も考えてレベル9の戦闘特技は《足さばき》だよ~。買い物は魔晶石とか魔符とか、消耗品だけ補充したよ~!
アミ : グラップラーが8から9になりました。それに伴って取った戦闘特技は《飛び蹴り》。蛮族への殺意マシマシでいきます。後はグラップラーがレベル9になったから《投げ強化》がⅡに。威力が増えると同時に投げられる部位数が増えたよやったね!ついでに余った経験点でアルケミとってヴォーパルウェポンも習得。手数多いし固定値は大事!買い物は飛び蹴るのもあってハードキッカーを魔法の武器化しました。後はトレジャー表で貰ったスマルティエ装備を装備して生命が1点だけ伸びた。この1点が大事になるかもしれない……以上!
“ヘーゼル” : マギテックが8になりました。10になるまではマギテック優先にしようかと。マナカメラが使えるようになったので、何かあればお申し付けください。
リアトリス : バードが9に上がって、戦闘特技で「終律増強」をとった。蛇穴の苦鳴が強くなるぞー。後は冒険者レベルが9になったので、ガーディアンがⅡになって5回まで庇えるようになった。褒めたたえろよそこの駄犬。さりげなくバジリスクはレベル9に種族特徴強化があるので、忘れないで行きたい…。あとは、前回のラストの買い物やらトレジャードロップ表で色々装備品がそろった。貢いでくれた奴らありがとー。
今日も今日とて、オンラインチャットに順繰りに成長報告を打ち込むPLたち。
経験点も報酬もたっぷりなので、毎回結構成長するわけで……
なんだかんだ毎回最初は、お互いキャラクターシートを覗き込みながら、「なんだこれ」「おお」などと言いながら成長の感想会の様相です。
GM:ギズさんの首切り刀がまだ手に入ってなくてよかった……ほんとによかった……クリティカルで脅威がすっ飛ぶのはもう嫌だ……
ギズ:まあ、前回よりクリティカル時の脅威がひどくなってないってだけで、当然ながら前回と同程度の火力は出していきたいんだが。
GM:ひいん。
マリーナ:戦略、ふっとばしてけ~??
前回セッション、ギズ爺のクリティカル大打撃でつよつよエネミーの戦略を吹っ飛ばされたGM。今回リベンジなるか。
SGM:あと、アミが蛮族への殺意マシマシとかいってるんですけど、当の蛮族のリアトリスは、横でそのアミを庇うためのガーディアン強化してんですよね。まーたなんか噛み合ってない。
“ヘーゼル” : マスター、片思いですか……?
リアトリス:だってこの駄犬、毎度私が庇わなくなった瞬間に死にかけるんだもん!! なんか……なんかじゃん!!(一同笑)
アミ:べ、別にあんたに庇われなくたって平気よ。
SGM:ここまで説得力の無い「あんたなんていなくて平気よ」があったでしょうか。いやない。
アミ:く~~!!!!
リアトリス:前科3犯くらいあるんだよな……。
マリーナ:リアトリスもだけど~、マリーナも戦闘特技3枠くらいお前のために吐いてるからね、だけん~?
事前の成長相談で、アミが「飛び蹴り」(移動直後、主動作以外に追加でキック攻撃をできる)&「影走り」(乱戦を無視して移動できる戦闘特技)をとりたい!と言っていたため、
マリーナは
・乱戦エリアの遮蔽の向こうを回復できる「鷹の目」
・アミが敵後衛に突っ込んで距離が届かなくなった時の「足さばき」&「魔法拡大/すべて」(距離拡大用)
などなど、アミが突っ込んでいったとき用に戦闘特技を整えていっているのです。優しい。
GM:このパーティ、何故か蛮族側のマリーナとリアトリスがなぜかアミさんのことをめちゃくちゃ介護(※戦闘サポート)してるんですよねえ……
“ヘーゼル” : アミさんが一番、蛮族とか第二の剣に対する思想に対する差別心強めなのに……
リアトリス:時々冷静になるんだけど、ほんと、なんでこいつのことかばってんだろうなぁ私たち……ある日突然介護止めてもバレないんじゃない?
マリーナ:やったるか~?(一同笑)
アミ:ぎゃー!!!やめてーーー!!!笑
ガイゼリック:なんでそんな突然はしご外すみたいなことするん?笑
リアトリス:あははは、まあ、今のところはするつもりないけど。
マリーナ:せいぜい愛想つかされないように頑張れ~???
アミ:ひぃん……
ガイゼリック:データ的に生命線を握ることで圧をかけていくスタイル……
GM:さてさて、そんなわけで、今回は第3話です。今回のトレーラーはこちら!
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奈落の魔域に迷い込んで早々に、ヘラと名乗るダークトロール種からクエスト付きの依頼をを課された冒険者達。
君たちはエデン内に侵入すべく、西端の街バンゲラから、元人族の街アイリーンに移動し、そこで濃密な5日間を過ごした。
そして迎える6日目の朝、アイリーンを出発し、砂漠を超え、デュエルを挑まれ、ついにエデンにたどり着く。人蛮統合国家を名乗るその都市国家は、人工太陽によって理想的な気候にコントロールされた楽園のような場所であった。
ソードワールドキャンペーン 箱庭第三話 "楽園"
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“ヘーゼル” : ふむふむ……。
リアトリス : ……。前に情報を聞いたときに思ってたんだが、この世界観に当然のように入ってくる「デュエル」って単語、なに?
GM:決闘って書いてデュエルって読むんですが、カードとカードを熱く戦わせ……
リアトリス:知ってるけど!! そーいう説明聞きたいんじゃないからぁ!!!(一同笑)
GM : はっはっは。まあ、というわけで初めて行きましょうか。よろしくお願いします!
PL一同:よろしくおねがいしまーす!
■出立の朝
GM:アイリーン滞在6日目、朝九時。出発する君たちをイグちゃんが見送りに来てくれてますね。
イグちゃん : 「喫茶店内の人が一気に減って寂しくなるね」
“ヘーゼル” : 「お世話になりました」と頭を下げる。
アミ : 「……」むすっとして手を軽く振るだけ。
そうやって別れの挨拶を交わし……終える前に、イグちゃんは改めて頭を下げます。
イグちゃん : 「……それと、繰り返しになるけど昨夜はすみませんでした皆さん。ネタ明かしすると、実はヘラ様から出発前夜に彼らの実力を試してこいと言われてね。これ幸いと私怨含めてやりすぎちゃいました」
アミ : 「ふーん……」むすーっ。
イグちゃん : 「……アミちゃんごめんって~、機嫌治してよぉ」
アミ : 「別に、怒ってないし」むすーっっ。
イグちゃん : 「めちゃくちゃ怒ってるじゃん」
アミ : 「別にせっかくいい感じの話してたのに裏切られたーとか、そう思ってたらなんかネタばらしされてモヤモヤの吐き先がないとか、思ってないし」むすすーっ
リアトリス : 「自分自身、いっつも私怨の塊みたいな行動してるくせに良く怒れるなぁ……」(ぼそっ)
アミ : 「なんか言った?????」
ガイゼリック : 「まぁ、謝罪の言葉は素直に受け取っておけ。アミ殿。腹に据えかねるのは理解するが、我らがまた会えるという保証もない。一期一会と思っておきなさい」
アミ : 「まぁ、このまま会うのが最後ってのもアレだしね」とむすっとしたまま手をイグに差し伸べて、「今度こそアンタの性根、叩き直してやるんだから!」そのまま差し出された手をパァンと叩く。
イグちゃん : 「……うん、私の性根叩き壊しに来てよね。そしてまた恋バナとかふたりでしましょ!」
アミ : 「バッ、ここで恋バナとかそういう話は……!」
“ヘーゼル” : 「アミさんの恋の話!その時は是非私も……」←アミの恋の相手だという自覚ゼロ/悪意ゼロ
アミ : 「ヘーゼル! 特にヘーゼルはダメ! ゼッタイ!」
“ヘーゼル” : 「むぅ、では仕方ありませんね」
そんな様子に笑いつつ、イグは首をすくめます。
イグちゃん : 「……ただ、ま、そうだよね。君たちが帰ってくるかどうかは実際わかんないわけだ」
マリーナ:ん〜?
イグちゃん : ヘラ様がかけた『クエスト』さえどうにかすれば君たちは自由なわけなんだしね。万が一、それで君たちがエデン側に着いたら残念ながら敵同士になるわけでさ」
リアトリス:……まあ、そりゃそうだ。別に、わざわざ戻ってくる義理はないわけだからな。我々としちゃ居心地がいいから、絶対戻ってこないぞ!という気持ちがある訳でもないけど。(マリーナを見る)
マリーナ:マリーナ、割とここすき〜〜。
ガイゼリック : 「ま、敵同士とはならんように祈るばかりだ。あのコーヒーは悪くなかったからな」
イグちゃん : 「ふふふ、帰ってきたら珈琲いくらでも入れてあげるよ!」
“ヘーゼル” : 「さ、名残は尽きませんがそろそろ参りましょうか」
ガイゼリック : 「そうだな。先は長い」
マリーナ : 「じゃあね~」
イグちゃん : 「それじゃあね~、みんな!」大きく手を振ってくれます。
■砂漠行軍
さて、そんな風にイグちゃんに見送られ、蛮族の街アイリーンを出たPC一同。
GM : 君たちはエデンまで、砂漠の中を歩いていくことになります。移動は9時間かかります。3時間毎に砂漠イベント表2d6を振ってくださいね。
というわけでイベント表をころころ振っていったのですが、出目が高めで旅路は順調。
トラブルどころか、こんなうれしいイベントもあったり。
GM : お。いいイベントですね……「砂漠の旅路の途中、物陰に置かれた冒険者の遺品を見つける。道半ばで倒れたものの遺品だろうか、荒野の中にポツンと貴重なアイテムが落ちていた。トレジャードロップ表Eを一回振れる」。イベント表振ってたリアトリスさん、そのままトレジャードロップ表振っちゃってください。
リアトリス:使えるものがもらえるといいけど(ころころ)
GM : 遺体はリルドラケンの錬技師のようでした。スマルティエの武道帯(6000G)入手。
リアトリス :「あ、美味しいね。んー……」……うーん。エンハンサーそこまで伸ばす予定がないんだよな。
「スマルティエの武道帯」は、「リカバリィ」という錬技を使ったときに効果量を上げる、という効果なのですが……
リカバリィ自体がエンハンサー技能5以上にならないと取れない錬技なので、それなりに高レベルのエンハンサーじゃないと使いどころがないのです。
GM:拾ったのはリアトリスという扱いですが、もちろん他の人に渡してもいいですよ。
リアトリス:エンハンサー……だと、アミか。あー……
アミ:なに、その何とも言えない声色。
リアトリス:……武道帯じゃん、と思って、一瞬考えた後アミに投げる。「おい。こういうの、グラップラーとか使うんじゃないのか?」
アミ : 「うわっと」受け止める。自分の多機能ブラックベルトとスマルティエの帯紐を見て「えーあたし練技とか使わないし……帯はもうつけてるし……」
リアトリス : 「は?」人が親切にしてやってるのになんだてめぇ、って表情を一瞬した。「…………そう。いらないんなら別に、いいけど!」普段よりちょっと子供っぽいというか、完全に素の感じで帯を奪い取ってぷりぷり離れてきます。 ふーんだ。(一同笑)
アミ : 「……なんなの、あれ……思春期?」
“ヘーゼル” : 「マスターも、ああ見えて気難しいお方ですので……」
アミ : 「気難しいのは知ってるけど……なんかおかしくなかった? 暑さにやられたのかしらね?」
“ヘーゼル” : 「そう……でしょうか?」はて?
ガイゼリック:気難しいというか、今のは儂でもわかったけどな。『プレゼントのつもりであげたのに、照れ臭くて雑な渡し方したせいで相手に気づかれず、喜んでもらえなかったって拗ねる』って、小学生男子か?
リアトリス:ぐっ……違うし、もうちょっと上品な何か(?)だし……
マリーナ:苦しい言い訳~??
リアトリス:抉らないで!! はいこの話おしまい!!!
そんな一幕を挟みつつ、行軍は9時間を超えて……事前にきな臭い情報を得ていた、エデン城壁破損部にたどり着きます。
ヘラたちが以前、エデンへの侵攻を試みた時に破壊し、復旧されていないという廃墟。
そこには、亡霊がいると噂で――
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