2-5. ミドル:喫茶地下にて眠る秘密
■アイリーン滞在最終日
GM:本日もよろしくお願いします!
PL一同:よろしくお願いしまーす!
GM : 前回のあらすじ。
・マリーナちゃん、姉属性付与
・ラミアの妹、ルージュを探してほしいと言われる。
・負けヒロインズ、結成
……というわけで、長かった2話もそろそろ終盤です!
リアトリス:ほんと色々ありましたねぇ……
GM : さて、待機最終日夜中、君たちはイグちゃんから渡したいものがあるからついてきてほしいと言われる。ルイス君を含めた全員で来てほしいとも。……ついてきてくれますか?
アミ : とーぜん!
ルイス : 行かないとどやされるので行きますわー。
マリーナ・リアトリス : ねむい~
イグちゃん : 「リアトリスとマリーナちゃん、眠いかもだけどついてきてね~。」
ガイゼリック:しかし、渡したいものか……。なんだろうな。
アミ:引導じゃない?(一同笑)
GM:ちょっとw
■喫茶店地下にて
イグちゃんに付いていくと、喫茶店厨房にある床下ハッチからはしごで地下空間に案内されます。
そこは地上のカフェとうって変わって、アル・メナス風の施設となっていました。
ガイゼリック:地下の謎空間……。やっぱり、これイグちゃんに引導を渡されるのでは???(一同笑)
GM:大丈夫大丈夫。まだです。
アミ:「まだ」ってなんだ???(一同笑)
PL一同がざわめく中、GMは描写が続き……
GM:部屋中央に成人男性が一抱えできるぐらいの大きさの円柱状の魔動機が二基配置されており、側面はガラス状で、円筒内は黄緑色の液体に満たされている。片方は液体のみなのだが、もう片方の円柱の中には何かが入っている。
ガイゼリック:やだ不穏。
GM : 赤黒い色をしたボール状のその物体は、よくよく見てみると、……。(溜めの沈黙)
アミ:そこで区切るのやめてー!
GM : ……(たっぷり溜めて)……。どくん……どくん……、と小刻みに脈動していることに気づく。
PL一同:うわああああ……
GM : はい、SANチェックどうぞ。(一同笑)
リアトリス : (ころころ)1d100振って37。うん、平気そうだな。
マリーナ : (ころころ)1d100で78! ふぇ。目が覚めた。
GM:PLたちのノリがよくて何よりですw
クトゥルフじゃないんですけどね。(SANチェック)
ちなみに余談ですが、この直後ガイゼリックさんが1d100で99ファンブルを出して一時的狂気表を振らされかけたりしてました。
ガイゼリックさん、メンタルは常識人ですからね。狂気に慣れていないのでしょう。
PCたちがグロテスクな情景にひと騒ぎした後、本日のホスト・イグちゃんが魔動機の傍に立ち、説明を始めました。
イグちゃん : 「これこそがリベリオンの人蛮社会を根幹から支える魔動機、リヒト君が作った人肉培養器だよ。どう、ちょっとグロテスク?」
リアトリス : 「へえー、これがあの美味いものになるのか。おっしゃる通り、製造工程はちょっとグロいな」
イグちゃん : 「ここではラミア用の血液を製造しているんだよ。私の血は使えないから代わりに一人の若い人族から血液を提供してもらってるんだ。」
“ヘーゼル” : 「改めてすごい技術力でございますね……」
ここで、しばしリアトリスとヘーゼルが「これお前の入ってた箱(ジェネレータ)に似てないか?」「我々もこれと似た技術で生まれたのでしょうか?」などと軽口をたたく場面があったりしつつ。
GM:……さて、皆さん。ちょっとここでマギテック+知力、あるいはセージ知力で判定していただけますでしょうか。
マリーナ:お~?
この判定は、達成値18を出したマリーナのみ成功。
GM : では、マリーナはこの魔動機を見て違和感を感じます。
見た目上、これは確かに魔動機械であり、アル・メナス時代の技術を用いられているはずだ。
しかし何故だろう、これはどこか技術的な根幹の部分で、魔動文明時代とは異なるのではないかという違和感を感じる。
マリーナ : 「……今度リヒトに聞こ~」
さて。この魔動機に関して、メンタル蛮族組が比較的「興味深いもの」として眺めている横で、人族組はやっぱりちょっと渋い顔。
アミ : 「これが……ねぇ……」中にあるの人の肉なんでしょ?みたいな微妙な表情
ガイゼリック : 「事情が、とはいえあまり気分良いものでもないわな」
アミ : (ギズに分かるの表情)
イグちゃん : 「まあまあ、人肉が培養されてる所なんて見たくもないだろうけど、これ人族にとっても利益あるんだよ? これのおかげでバルバロス達の食欲を人族の犠牲なく満たすことが出来るんだ。」
アミ : 「まぁそうなんだけど……」すごくふくざつ
イグちゃん : 「なんせ、人肉が量産されてからバルバロス側にも変化が生じたんだ。リベリオン内のバルバロスの中で食肉としての人肉と、生き物としての人族の間に乖離が発生しつつあるんだよ。実際君たちこの街訪れてから、一度もバルバロスに食事の一環で襲われてないでしょ?」
“ヘーゼル” : 「な、なるほど……?」
そういわれてみると、アイリーン内で蛮族に「食べ物として」襲い掛かられたことは皆無と言っていいかも?となるPC達。
(入り口にいたチンピラ4人衆はただのガンつけで、食欲とはまた別の話)
イグちゃん : 「ともかく、バルバロスの一部にも人族の文化に精通するものたちがあらわれはじめたのは確かだよ。カジノ等の遊戯の概念とか、貨幣社会とかね。私はこの変化を身近に見ててすごくおもしろいよ。」
アミ : 「蛮族が人間を、ね……」蛮族、という部分に力を込めて
イグちゃん : 「でも、この心臓培養の真価はそこじゃないんだよ。」
ガイゼリック : 「……ほう」
イグちゃん : 「人肉培養器は、血液提供者の臓器や部位を文字通り複製する。ここでイグちゃんクイズ~。この複製された心臓、変身能力を持つオーガが食べたらどうなるでしょ~か?」
PL一同、一瞬沈黙して。
リアトリス : 「……便利そうだなぁ」とだけ一言。
イグちゃん : 「リアトリスちゃんは察したみたいだね~」
“ヘーゼル” : 「も、もしや……」
イグちゃん : 「正解は~、培養元の人間と瓜二つの姿に変身できるようになるでした~。」
リアトリス:ええと、GM。オーガの「人化」とかのことを想定すれば、あってる?
GM:です。まあ、そこらへんの能力を思い浮かべていただければ。
オーガの特殊能力「人化」は、人の心臓を食べれば、その心臓の持ち主の姿かたちに変身できるというものなのです。
アミ:……そういや、そういうのあったわね。
“ヘーゼル” : この話自体が、十分1セッション立てられるシナリオギミックなんですよねぇ……。
イグちゃん:「しかもここではそれだけじゃない、この装置を使うと、なんと血液元の人間の記憶を一部読み取れるのだよ~。変身だけじゃなく、記憶まで読み取れるのは不思議だよね~。」
リアトリス:ん? ……なるほど。
アミ : 「うげ~……」あんまり考えたくない顔
イグちゃん : 「これがアルフレイム大陸のバルバロス有識者の手に渡ったら悲惨だろうね~。なんていったってちょっと切り傷から血液採取するだけで人間の王族たちのコピーを作り放題なんだから。」
リアトリス : 「………………」
イグちゃん : 「人族の王国は、王一人のカリスマ性で成り立ってる国が多いからね~。バルバロス側でコピーを量産して、地方で蜂起させるだけで、すぐ混乱で瓦解するだろうね。ミラージとかハーヴェスとか特に。」
ガイゼリック:「…………」
いつも通りの軽い口調で、とうとうと語り続けるイグちゃん。
それに対して、PC達……主にガイゼリック、アミ、リアトリスの雰囲気はかなりシリアスに沈んでいます。
ガイゼリック : 「ふむ、話はわかった。して、それを儂らに聞かせて、なんとする?」語り口はいつも通りだが目が笑ってない
アミ : 「そう。それで、イグはそんな”素敵な発明”の話をあたしたちにして何しようって言うのさ?」ちょっと険しい顔になる
イグちゃん : 「うん、それなんだけどさ~。これ片方君達にあげるよ。面白そうだし。私は一つあれば営業できるからね~」そういってイグちゃんは心臓が入ってない方の培養器を取り出して、君たちの前に置きますね。
“ヘーゼル” : 「え、えと。その……?」
リアトリス : 「…………」この流れでくれるのかー……
ちなみにイグちゃん曰く。
リヒトの意向により、リベリオン内での血液・心臓の生成は基本「イグの喫茶店にある、二つの魔動機械」以外ではできないようロックされてるらしいです。
ラミアたちなど、人族の血液を必要とする種族のために、最低限の生成のみ行っているとのこと。
ただし、逆に言うと、今くれようとしてる機械は喫茶店にあった二つのうちのひとつなので、血液も心臓も精製し放題。
いわば、悪用しようと思えばできるものです。
リアトリス : 黙ってイグがくれた機械を拾い上げる。
イグちゃん : 「……やっぱリアトリスちゃんがこの中だと欲しいのかな?」
リアトリス : 「そうだね。どうだろうな。……欲しいのかな」と言いつつ、カルキノスの上にそれをセットする。貰いますよ。
イグちゃん : 「他に欲しい人はいないの~?このままだとリアトリスの物になるよ~?」
“ヘーゼル” : 「私も一技師として、技術的興味はありますが……」
リアトリス : 「ああ、じゃあなおさらもらっておこうか。今度部屋でいじってみよう」
“ヘーゼル” : 「は、はい!」
パーティ内で確認したところ、現時点でこの機械を欲しがるPCはやはりリアトリス(+ヘーゼル)だけらしい、という形になり。
人肉培養器は、現時点では特に揉めることもなく、リアトリスの手中に収まります。
イグちゃん : 「はっはっは、ある予想通りの展開になったね~。」
アミ : 「……ちょっと」リアトリスの方を向いて
リアトリス : 「なに?」
アミ : 「アンタそれ、本当に使う気じゃないでしょうね?」
リアトリス : 「使うに決まってんだろ、馬鹿かお前は。逆に使わない機械貰ってどうするんだ?」
アミ : 「さっきの話聞いて、まだ使う?って言ってるの。蛮族であるアンタの手に渡ったらどうなるか……」
リアトリス : 「……。安心しろ。私自身がどうこうするってつもりはないさ」ふぅ、とため息つきつつ。「そもそも私自身は、バルバロスの版図を広げることにはさらさら興味がない。そういうのに興味があったら、最初からお前らと組んで冒険者ごっことかしてねえよ」
イグちゃん : 「それに、別に私はその機械の活用例の一つを述べたにすぎないからね~。ほら、もしアルフレイムにも人蛮共存を目指す奇特な国とかあれば、平和的な利用もあり得るんじゃない?」
リアトリス : 「そうだね。平和的利用ね」
アミ : 「それでも!アンタは蛮―」
“ヘーゼル” : 「……まぁまぁ、お二人とも。この場でするようなお話でも、ないかと存じます。……ね?」とアミさんの方に力なく笑う
アミ:うぐ。
リアトリス:アミの方は見ず、黙ってカルキノスに乗せた機械の方を眺めてる。
イグちゃん: 「いや~、君たちに無事渡せてよかったよ~。」
アミ : ……あーもう!「……それで、イグ。話は終わり?」今すぐにでも立ち去らんとする雰囲気
リアトリス : 「そうだな。私も、何故君が、どうしてわざわざこれをここで渡してきたのかが知りたいかな」
イグちゃん : 「さっきも言ったけど面白そうだったからだよ。リベリオンに来てから人族と対話するバルバロスはよくいるけど、ここに来る前から人族と組んでるバルバロスは君が初めてだったからね。だから、これからの成長に期待を込めてってところさ~。」
リアトリス:「……そうか」
アミ : うううう。アミ内のいぐちゃ株の乱高下が激しすぎる
GM:そうですかあ? ところで、まだ話は終わってなくてですね。
ガイゼリック:ふむ。
イグちゃん : 「……………ところでさ」
イグちゃんの立ち絵表情が、一瞬で邪悪な笑みに変わり。一言。
「だ れ が た だ で あ げ る と 言 い ま し た か ?」
■VS嫉妬の乙女?
PL一同:うわぁーーーーw
GM : イグちゃんがそういうと同時に地上部に繋がるハッチがひとりでに閉じる。地下施設内に警告音が鳴り響き、交易共通語でこうアナウンスが流れる。
GM/??? : 「警告、警告。侵入者5名発見、ただちに撃退します。」部屋奥の壁面から、三方向に剣が伸びた円形上の魔法生物が出現し、君たちに明白な敵意を向けてくる。
マップ上に、謎の魔法生物のエネミー駒が登場。
イグちゃん : 「やだ~、警備システムが誤作動しちゃった~♡ これじゃあ、入場登録されてない皆は襲われちゃうな~♡ 私戦えないの~、皆頑張って撃退して~♡」
“ヘーゼル” : 「むぅ、これはまた物騒なお話ですね」
アミ : だいぶマイナスになったけど。イグちゃ株……
イグちゃん:あらぁ……。
リアトリス : そう?私は株が上がったよ?
マリーナ : なんだイグちゃ、話通じるじゃん~
リアトリス : 「結局バルバロス方式か。わかりやすいな」
マリーナ : 「……それじゃあ、うばうってことでいいよね?」
リアトリス : 「ああ、奪っていこう。力ある者がすべてを奪い、奪いつくした者が正義となるのさ」
リアトリス・マリーナ:……ね~!
アミ:蛮族どもは黙ってて!!(一同笑)
ガイゼリック : 「ふむ。まぁ、言いたいことは沢山あるんだが。おイタも大概せよ、糞餓鬼。」腰の剣を抜き放つ。わりとおこ。
イグちゃん : 「……ええ、私からも言いたいことあるわよ。この際はっきり言うけどさ~」
一拍おいて、イグちゃん渾身の主張。
イグちゃん : 「君たちヘラ様と初対面のはずなのに、なんで私よりずっと長く会話させてもらえるの?????? バンゲラで!!!」
沈黙。
PL一同:あー……w
マリーナ : ですよね~
“ヘーゼル” : キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!とPLは言ってますがヘーゼルさんは「……あー」と言ってます。(一同笑)
イグちゃん : 「なんか悔しいんだけど!!奥様は仕方ないとしてもぽっと出の君たちに負けるの!??私なんて三分も一緒に居られなかったわよ!?何三分って???」
“ヘーゼル” : 「まぁまぁ、恋は盲目ですので。私も、畏れながら覚えがあります。乙女心は複雑ですので……」
リアトリス:「しかし、それをいうなら、こいつもぶちのめしたほうがいいのでは?」ルイスを指さす
ルイス : 「え、おれ?なんでそうなっちゃうの??」
リアトリス:「だってセンパイ、リヒトと一緒に副官ポジションでヘラの横でキャッキャしてたでしょ」
イグちゃん : 「それもたしかにそうだね!」
ルイス : 「は?」
リアトリス:え、センパイ。だってこれ、一緒に戦う流れでしょ??
ルイス:いやま、えー、それはそうだけどー?
イグちゃん : 「それに私、ルイスの酒場での全裸騒動、まだ許してないからね???」
リアトリス:ほら。
??? : 「訂正、訂正。侵入者6名。ただちに撃退します。」
リアトリス : 即座に訂正されてて笑っちゃうw
ルイス : 「その分の労働はしたじゃねぇか!!!!!!なんでだよ!!!!!」
イグちゃん : 「あれはヘラ様からのばつ、これは私からの私怨。OK?」
ルイス : 「いや~~~~~~、恨むぞこんの後輩め」
リアトリス : 「頼りにしてますよ、センパイ♡」
さて。
そんな風にわちゃわちゃと戦闘準備を始めるチーム蛮族の裏で、アミは静かにイグちゃんを見つめている。
アミ : いまPLの心は大変悲しみに包まれてます。いやほんとなかよくやってけると思ったんだよ……
「……イグ、アンタとは仲良くやっていけると思ってたんだけど」少しだけ悲しそうな顔
イグちゃん : 「アミちゃんに見せた私も本心だよ。でもこういう私の側面もある、それだけの話。というわけで、ただの八つ当たりだけど覚悟してよね!!」
アミ : 「それじゃあ、歯ぁ食いしばりなさい!」
→それでは、Go To クライマックス戦闘!
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