1-5. エピローグ:ようこそ地獄へ

■戦闘後処理:しぬかとおもった


メカメックスの戦利品はすべて「自動」。一人あたり5000Gほどの報酬となります。


“ヘーゼル” : か、勝てましたー!! 割と真剣にだれか死ぬかと思いました……。

GM:楽しかったぁーー!

“ヘーゼル” : GMの声から、楽しかった感がマジでにじみ出てます……

リアトリス:いやあ、こっちも楽しかった。死にかけてるやつはいたけどさ。

アミ:死にかけ~。

リアトリスPL:(中の人の口調で)アミさんお疲れさまです。戦闘中筆記ありがとうございます。とても助かりました(深々と礼)※


※アミ気絶後、アミPLが丁寧に戦闘状況を筆記してくれていた


アミPL:(中の人の口調で)いえいえこちらこそ。気絶すると時間できますし、ちょうどよかったというか。

リアトリス:結局起こす暇もなかったのが申し訳なかったですが……(ここからPCに戻って)おい駄犬。なにを無様に転がっている。蹴るぞ。

アミ:あん?? ぶん殴るぞこのバジ公。(一同笑)

SGM:ここ二人、PLとPCの温度感の違いで風邪ひきそう。

マリーナ:ま、とりあえず、アミおこそ。

“ヘーゼル” : あーうー、そうですね。「アミさん!しっかりしてくださいー!」

アミ : 「うぅ……かめが……みずがぁ……」呻いてるけど生きてるよ~

“ヘーゼル” : 取り敢えず大丈夫そうなので「うう、よかったですー……(えぐえぐ」

リアトリス : 「…………」アミにすがって泣くペットを、複雑そうな目で見ている。蹴るぞとか言いつつも、自分がかばわなかったから倒れたんだよなこいつーという顔。

アミ : まあ、適当なタイミングで目を覚まして「えっ!?あのでかいのは!?っていうかヘーゼル近い!?!?」とかやってます。

“ヘーゼル” : 「近いって……。それは、そうでございますよ!」手当してるもの!

アミ : 慌てて離れようとして傷が痛む。「っつ……!」

“ヘーゼル” : 「はいはい、ご無理はなさらないでくださいね?」

リアトリス : 「……」よいしょ、とカルキノスにアミさんをのせる。これで安静にできるだろ。傷が癒えるまで動くな。

アミ:え、なに突然やさしさ見せてんの。

リアトリス:人族の駄犬風情に、うちの子犬の意識を取られてるのが目ざわりだから……

アミ : はーーーー、やっぱりこのバジ公嫌い。(一同笑)「やめ……いっつ……!」バタバタしようとするもそのままどしゃり。……まあ、乗っておくよ。

リアトリス : 「はいはい、そこで大人しくしてな。歩けるような怪我じゃないだろ」

“ヘーゼル” : マスターはやさしいなぁー。にこにこ。

ガイゼリック : 「うむ、皆満身創痍だが大事はないか?」

マリーナ:「は~い」ひとり、名残惜しそうにカメの残骸を見ている。


マリーナはエルフでエイリャーク神官なので、本来、水中戦でなかなか活躍できる方法が多いのですが……今回はパーティのダメージが大きかったのもあって回復役に回りがちでした。本人曰く、今後の水中戦に期待!とのこと。


ガイゼリック : 「さて、なし崩しに切った張ったになってしまったが、やはりこの建物は依頼には関係なかったのかね」

GM : ガイゼリックさんは魔動機を倒し一息ついたところで部屋全体を見渡すと、奇妙なことに気づく。

ガイゼリック: む?

GM : 20m程の高さの天井に夜空が写っている。遺跡に入ってから遥か地下まで潜ってきたはずにも関わらず。 遺跡に入るときに下った螺旋階段の高さが体感50m以上あったので、20mしかないこの天井に空が写っているはずはないでしょう。そもそも今の時刻は16時過ぎです。

ガイゼリック: 「はて、外はまだ黄昏るくらいかと想っていたが。吹き抜けるような縦穴があったはずもなし」


ガイゼリックが気づいたことで、他のPCも次々と天井を見上げます。


マリーナ:「きれ~」

“ヘーゼル” : 「あの大量の電力は、これに……?」

GM : これは夜空の映像を天井一面で映しているのではないかと思いますね。

また部屋最奥40m先に円筒状の機械がある。マギテックであるヘーゼルは、おそらくテレポーターであろうと気づく。どこに繋がっているかは分からない。

“ヘーゼル” : はーん。「……あちらの魔動機、どうやら転移装置の類いのようでございます」

ガイゼリック : 「……、面倒な話になったなぁ。つまりだ、依頼の女の子も、これを使って遠くに飛んじまったこともありうるわけだろう」

リアトリス : 「ええ? めんどくさい」げえ、という顔をする。

マリーナ:「マリーナいきたい~」

ガイゼリック : 「やめなさい」(ガッ)

マリーナ:ぶんぶん。いきたい~

ガイゼリック:怪しいものに触ろうとするんじゃありません。まあ、さっき言った通り、依頼の子がこの転移装置で飛んじまった可能性も否定はできないから、多少は調べないといけないだろうが……

“ヘーゼル” : じゃあちょっと様子を見てみますか。ちょいちょいっと近づく。

アミ : 「ちょっヘーゼル、うかつに近づくと危ないんじゃ……」

“ヘーゼル” : 「ふふ、まさか転移装置が急に起動なんて。そんな」にこにこー。

アミ:「ま、まあそっか。大丈夫だよね~」

リアトリス:フラグ立てに行くなー?

ガイゼリック : 「ん、あの装置起動しとらんか? 緑のランプが点灯しとるが」

マリーナ:※おおっと※

“ヘーゼル” : 「はい?」振り返る

GM : テレポーターを調べるため奥に進んだ刹那、緑色に点滅していたテレポーター内部が白く発光していく。

テレポーターが起動している合図だ、こちらからおくるものは何もないはずなのに。ならば、向こうから何かが来ているのだろうか?

リアトリス:そういう感じですか。

GM:そういう感じです。

アミ:そういう展開~?

GM:そう思った刹那、テレポーター内部から突如球状の虚無が出現した。

PL一同:虚無!!!!

“ヘーゼル” : 無!

GM : それはすさまじい速さで肥大化し、君たちを瞬く間に飲み込んでいく。

リアトリス : 「――ッ!」咄嗟に子犬の首元をつかむ。

“ヘーゼル” : ぐえー

ガイゼリック : とっさにマリーナをかばうように抱える

マリーナ:「お」

アミ : 「ちょっ、揺れっ、あたし起きたばっか……!」

GM : ふと上を見上げると、天井の夜空にはエメラルドグリーンに輝く光のカーテンが広がっている。

マリーナ:「……きれ~」

ガイゼリック:オーロラ。魔域!?よもや最奥に鎮座するとは……


各々身を守ろうと咄嗟に逃避体勢をとりますが、あっという間に広がっていく「無」から逃れるすべもなく。

気が付けば、全員、真っ暗な空間に放り出されていました。


GM : 暗転する視界と意識。その中で、声が聞こえる。言語は分からないが、何故か意味は伝わってくる。

??? : 「よくぞ最深部まで来てくれた諸君。褒美に君たちを我が奈落の魔域に歓迎しようではないか。」

アミ : 「えっ何何!?声聞こえるんだけど!?」

“ヘーゼル” : 「どういう仕組みなのでしょうか……」

リアトリス : 「こりゃ、ずいぶんと手荒い歓迎だ」

??? :「そういってくれるな、麗しい歌い手よ」

リアトリス:…………。

PL一同:…………。

リアトリス:ん? ごめん、ちょっと今PCもPLも思考停止してた。こいつ話しかけてきた? 相手から一方的に話しかけられてるってわけじゃなく、会話出来てるってこと?

アミ:ぽい。

リアトリス:しかも歌い手って。私だよな。なんでピンポイントで私に話しかけてきてるんだこいつ。

アミ:これはこう……魔域を支配しているのがバルバロスだから、バルバロスであるリアトリス限定で会話しようとしてるとか……?

リアトリス:あー……

GM/??? : 「我が魔域は荒地がどこまでも広がっている不毛の地だが、代わりにいじりがいのある"玩具"ならいくらでも転がっているぞ。先ほどの亀がかわいく思える程にな。

退屈な日常に飽き飽きしているのであろう?更なる刺激が欲しいのであろう?存外そなたも楽しめるであろうぞ。」

リアトリス : 「……へえ?」片眉を上げる。

マリーナ:ノリノリ~?

リアトリス : リアトリスのちょろいところは、表面上はかっこつけた反応してるけど、正直声かけられて「玩具いっぱいあるよ」って言われた時点で「じゃあいこっかな!」って思ってるところです。(一同笑)

アミ:ちょっとw

リアトリス : 愉しいんだったら仕方ないよなぁ。

GM/??? : 「まあ、来れば我が魔域がどのような場所かいやでもわかるであろう。」

リアトリス:よし、じゃあみんな魔域行こっか!!!!(一同笑)

アミ:ちゃんと周りの意見を聞けー??

ガイゼリック:まあ、儂は行かん理由はない。

マリーナ:たのしそ~。

“ヘーゼル” : 私はマスターの行くところにならどこへでも。

アミ:…………え、嫌がってるのあたしだけ?(一同笑)

リアトリス:いやね。この手の輩はどうせYESと言おうとNOと言おうと引っ張り込んでくるんだから、楽しんだもん勝ちだよ。

GM:まあ、正直その通りなんですよね。

GM/??? : 「さあ人蛮の争いの果てを、闘争の可能性を我に見せてくれたまえ!!」


謎の声がそう言い切った次の瞬間、PCたちは薄暗い部屋で目を覚ます。


GM : 床の材質から、今までと同じ魔道機文明遺跡の部屋のようだ。目が暗闇に慣れてきて周りの様子が判明してくる。

“ヘーゼル” : きょろきょろ。

GM:えい。


PCたちがあたりを見回した瞬間、GMは真っ暗だった背景ボードを遺跡の画像に差し替えます。

ついでに、遺跡の周囲に、大量の敵の画像がドン。その数、ざっと見まわして30体ほど。


GM:こういう状況です。(PL一同爆笑)

アミ: さすがに草。

ガイゼリック:笑うしかないな?

GM : 君たちは大量の武装した人族蛮族の集団に囲まれている。蛮族の方が多いだろうか、比率だと7:3といった所。しかし、人族と蛮族が共に並びあっているさまは奇妙極まりないだろう。

マリーナ:「一人当たり十人倒せばいけるか……?」

アミ : 負けフラグやめろ

“ヘーゼル” : 「これはいわゆる、大ピンチというやつでございますね」


高レベルPCとはいえ、流石に30体以上の敵に襲い掛かられるのは避けたい。

ざわっとしつつ、各々周囲を見回します。


リアトリス : 「……(同胞の方が数が多いのか)」と、ちょっと冷静に周囲を見ている。

マリーナ:「こんにちは~」フレンドリーに近づいてこうとする。

ガイゼリック : 「待ちなさいって!」マリーナに手を伸ばす。止める!

GM : マリーナが話しかけようと起き上がるタイミングで、弓を構えていたケンタウロスが「そこから動くな」と交易共通語で警告してくる。

リアトリス : 「これはどういう状況だい、同胞よ」ため息つきながら交易共通語でしゃべってから、「あ、しまったな」と口を押える。

ガイゼリック : (ん?同胞?)

リアトリス:……そういや一応、ガイゼリックとマリーナには隠してることにしてるんだったっけな。

ガイゼリック:一応な。

マリーナ:マリーナはいちおう察してるけど、聞いてはいないな~。

GM/ケンタウロス : 「……同胞とはどういうことだ?貴様のような男と酒を飲み交わした記憶などないが」

リアトリス:はっは、目は眼帯で隠してるし、言わなきゃ気づかないよな。思わずぽろっと漏らしちゃっただけだし、補足はしない。

GM/ダークトロール : 「まあ、そこまで気を張る必要はない、ウェンよ」

GM : 装集団の中で一際存在感を放つダークトロールがケンタウロスをなだめると、ウェンと呼ばれたケンタウロスはしぶしぶ弓を下す。

マリーナ:(ダークトロールを見て)「おっきぃ~」

ガイゼリック : 「すまんが、こちらも突然のことで混乱している。状況を整理してもらっても構わないかね?」

GM/ダークトロール : 「……ほう、警戒を緩めよとは部下に言ったが、依然武装集団に囲まれながらずいぶん冷静なものだな。」

ガイゼリック : んー、そこはかとない上から目線。

リアトリス : 「まあそもそも、別に敵対するつもりはさらさらないから。むしろ、周囲の状況が、故郷に帰ってきたみたいで安心してる。実家のような安心感ってやつかな。こういう場面でどうすべきかはわかってるよ」……即ち、大人しく待機!

マリーナ:「じっか~」

アミ:あんたの実家、どういう環境なのよ……。

リアトリス:バルバロスだからね。気を抜くと死ぬ環境よ!

ダークトロール : 「そうか、勇敢と蛮勇を区別できているようで何よりだ。それでは、まずこの場所について貴様らに教えるのだが。……しかし貴様ら驚くほど最悪のタイミングでここに飛んできたなぁ」

ガイゼリック : 「最悪、とな?」

ダークトロール : 「今の状況最悪以外のナニモノでもなかろうに。……正直貴様らに同情しなくもない。」

アミ : 「何?いつの間にあたしたち蛮族から哀れまれるような状況になってたワケ?」

ダークトロール : 「だがまあ……この奈落に来てしまった以上仕方ないよなぁ」


威容を誇るダークトロールは、大量の部下を控えさせ、PCたちに語り掛ける。


ダークトロール : 「ここは奈落の魔域ヴァルハラ、奈落に囚われた人蛮が300年間も飽きもせずに争い続けてきたまさに生き地獄。」


ダークトロール : 「俺様、傭兵団リベリオンの長ヘラが貴様らを盛大に歓迎してやろう!!」




■アフタートーク:なにはともあれ


GM:……というところで、本日のセッションは終わりです!ありがとうございました!

PL一同:ありがとうございましたー!

“ヘーゼル” : 最後、なんかすごい状況になってましたけど???

リアトリス:かっこいいダークトロールがいたなー。後魔域と傭兵団の名前がかっこよかったなー。

アミ:言及するべきなのそこじゃなくなーい?

リアトリス:いや大事だろ、かっこいいのは。

ガイゼリック:いや、はてさてどうなるやら……。

GM : 色々あると思いますが、まずはリザルトだけ出してしまいましょう!

今回、経験点5090+各ピンゾロ。成長3回振ってください。

PL一同:おおっ。

マリーナ:いっぱ~い。

リアトリス:始まりが高レベルだから、一回ごとの成長はあまり大きくないのかなーとぼんやり考えてたのだけど……これはありがたいね。普通にメイン技能のレベル上げられる。

GM:このキャンペーンはめちゃくちゃ成長してめちゃくちゃ強敵と戦ってってもらいたいので、どんどん成長してくださいね。ちなみに次回からはさらにどとんと経験点増やすのでお楽しみに!!

“ヘーゼル” :やったー!!



急ごしらえのパーティとして依頼を受け、急ごしらえながらもよい連携を見せてきた……というところで、謎の魔域に突入してしまったPC達。

これからどうなるか?に思いを馳せつつ、今回の冒険はここでセーブです。

GM曰く、「今回入門、次回から本編」とのことですが……ともあれ、皆さんお疲れさまでした!


・獲得経験点:経験点5090+各ピンゾロ

・成長回数:3回

・獲得報酬:5000G(メカメックスからの剥ぎ取り)+その他剥ぎ取り分


To be Continued!

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