第七十七話 B級魔獣の脅威【小説家になろう最新話】
「なんだよこの化け物……」
巨大
巨大な
ぞっとする光景だった。
身体の向きが、エッダへと向いた。
「《クイック》!」
エッダは
巨体に似合わぬ豪速で化け
エッダは寸前で壁を蹴って跳び上がり、頭を蹴って脇に逃れた。
「《イム》ッ!」
俺は巨大な皮膚へと魔法を放つ。
とにかく、敵を知らねばどうにもならない。
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種族:《ベヒモスロッガー》
状態:《通常》
Lv:45
VIT(頑丈):182
ATK(攻撃):143
MAG(魔力):136
AGI(俊敏):160
称号:
《魔蝦蟇族[--]》《上級魔獣[B]》
《王獣[B]》
特性:
《暗視[E]》《オド感知・中[C]》
闘術:
《毒水[D]》《大跳躍[D]》《蝦蟇闘気[C]》
《王舌[C]》《王酸弾[B]》
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敵の情報を確認して寒気が走った。
【Lv:45】……これまで俺達の見たことがない、本物の上級魔獣だった。
ガロックがいてどうにかなった《自己再生》持ちの
特に【VIT(頑丈):182】がやば過ぎる。
冒険者ギルドでは、B級魔獣を遠目から見ただけで英雄視される。
軍だって、一小隊でB級魔獣と当たることは避ける。
B級魔獣とは、それだけ危険な存在なのだ。
おまけに魔導器に頼る人間、魔法に頼る悪魔と違い、《暴食の刃》による被害も薄い。
己自身の圧倒的な闘気が武器であるために弱点らしい弱点が少なく、レベル差を覆すことは難しい。
【《蝦蟇闘気[C]》】
【身の危険を感じた
【AGI+30%程度の上昇を施すが、他の数値には-30%程度の減少が生じる。】
【《蝦蟇闘気》は薬効を持つため、
【《王酸弾[B]》】
【闘気の塊によって練られた強い酸の球体を豪速で放つ。】
【球体は厚い油膜に覆われているが、空気に触れると急速に溶けだしていく。】
闘術も凶悪だ。
通常の
下手に追い込めば、《蝦蟇闘気》を練られて今以上に速度が跳ね上がる。
「【Lv:45】だ! 小路に逃げるぞ!」
「ここで逃げては、
俺の提案を、エッダが否定した。
エッダはあの
無謀すぎると言いたいところだが、エッダの言葉は一概にそうとも言えない。
何故なら、軍に挑んだこと自体がそもそも無謀すぎることだったからだ。
この階層は
いつ来たって、悠長に
そしてそれは、唯一見えた軍へ刃向かう希望を捨てることでもある。
こんな相手をガロックや《黒狼団》の力を借りずに倒したのならば、俺達の大幅なレベルアップにも繋がる。
レベル上げにおいて最も効率のいい方法は、自身よりレベルの高い相手を倒すことだからだ。
そうなれば……軍の連中から逃げきってパルムガルトへ向かうという俺達の目標も、ようやく現実味を帯びてくる。
だが、それでも
エッダもわかっているだろうが、レベル上の魔物を相手取るには二つ難所がある。
一つ目はレベル上の豪速の即死体術を捌き続ければならないことで、二つ目はレベル上の魔獣の頑丈さを突破して戦闘不能に追い込むことだ。
最悪なことに、この
格上殺しを達成するのに最も困難なタイプなのだ。
壁際を駆けるエッダを、
あんな無茶、本来継続的にやることではないはずだ。
元々エッダは、魔導剣の高すぎる補正値のために消耗が激しい。
「私が気を引く! お前はどうにか、こいつを沈める手立てを考えろ!」
エッダが声を絞り出すようにそう叫んだ。
とんでもない無茶を言ってくれる……が、エッダ自身がとんでもない無茶をやりながら口にしているため、俺だけが首を横に振るわけにもいかない。
「やるしかない……か」
俺は息を整え、
俺は幸い、ベルゼビュートのお陰で闘術は多い。
ブラッドから奪った《邪蝕闘気》は、オドを急速に消耗させる代わりに膂力を引き上げる。
不吉な予感がしてあまり使っていないが、決定打不足を補うにはこれしかない。
これをガロックから受け継いだ《雷光閃》に乗せ、頭部を捉えられれば、
問題は、巨大な
それに……
だが、今はとにかく、この策を全力で成功させるしかない。
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