第8話 おそばおいしい(食べてない)

 未咲「あーぁ、授業ぬけだしておそば食べに行きたいなぁ……」


 お腹をすかしてぐうすか鳴らしている未咲。恥ずかしいったらない。


 玲香「まじめに授業うけなさいよ……」


 横目に見て溜息をつくわたし。


 未咲「天ぷらつきのがいいなぁ……おっと、考えてたらよだれが……」

 玲香「……」


 もう、なにも言いたくなくなった。


 春泉「ふふふっ」

 玲香「なに笑ってるのよ、春泉」

 春泉「いや、なんにも。あのね、なんかこーいう日、ひさしぶりかもって」

 玲香「どういうこと?」

 春泉「みんなたのしそう。ハルミには、そうみえる」

 玲香「ちょっとよくわからないわ。もっと詳しく教えて頂戴」

 春泉「それはね……ナイショだよ」

 玲香「なんで教えてくれないのよ……教えてくれたっていいでしょ?」

 春泉「いいの。ハルミはみんなのこと、よく見えてるから」

 玲香「もういいわ、あなたもちゃんと授業うけなさい。成績わるくなっても知らないわよ」

 春泉「はーい」


 なんでもない一日だった。

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