第4話 おむつ(に)してみた!
ある日、未咲は派手にすってんころりしてしまった。
未咲「いたたた……やぁん、パンツ丸見えだよ〜……」
テンプレっぽい文句をつぶやきながら、起き上がろうとする。
未咲「あっだめっ、おなかに力が入っておしっこが……!」
じょぉぉ〜っとパンツにひとかけ。わたし、またおもらししちゃった……。
だけどきょうのおしっこはすごくいいにおいがして、ちょっとくらくらしたりもした。
未咲「最近わたしも多くなってきたなぁ……久しぶりにおむつしようかな?」
わたしくらいの年令だとパットとかでもいい気がするけど、
なぜかいちばんに浮かんでしまうのは、おむつのほう。
未咲「あのもこもこ感がいいんだよね……安心するというか」
一度はまってしまえば、もうもとには戻れない。
わたしは思い立って、日用品のお店へと足を運んだ。
未咲「わたしサイズって探すの苦労するんだよね……あっ、あった」
ついうれしくなって、またパンツにひとかけ。
未咲「んもぅ……そんなにおむつにおしっこしたいの、わたしの身体……?」
ぽたっと垂れるしずくに、ときめくわたしがいる。
フローラルな香りがたちまち広がって、すれ違う人たち全員が頬を染める。
女子A「ね、あの子すっごくいい匂いしない?」
女子B「ほんとだよね、なに使ってるんだろ」
それがおしっこ由来だなんて、もちろん言えるはずもない。
バレていないのが嬉しくて、わたしにあらぬ考えが浮かんだ。
未咲「(変態みたいだけど、ここでもう少しだけおしっこしていこ〜……)」
きょうのわたし、やっぱりちょっとおかしかった。
思うよりも先におしっこが出てしまい、さっきの子たちが振り返る。
女子A「えっ、あの子おしっこしてない?」
女子B「わ、ほんとだ! だけどさっきよりいい匂いが増してるような……」
くんくんと匂いを嗅ぎはじめる女の子。急に恥ずかしくなり、わたしは店を出ることに。
未咲「やだ、やだ、また漏らしちゃう……!」
ぷじゅぉーっとパンツを破るかのような勢いで、盛大におもらししてしまった。
女子A「ほらやっぱり! あれ絶対おもらしだって!(しゅいっ)」
女子B「もういいでしょ……っ、そんなことより早くあっち行こうよ……」
見ると、その子たちもちょっと内ももをこすり合わせて顔がこわばりがちだった。
まるでわたしのおもらしが移ったかのよう。ちょっと不思議な体験だった。
もっとも冬なので、たんなる偶然の可能性もあるけど。
女子A「あはは……えーっと、あたしも少しやっちゃったかも……」
女子B「そんなのどうでもいいから、早く……」
もうひとりの子はほんとに切羽詰まっていそうで、見てるこっちまで気が気じゃなくなりそう。
早く連れて行ってあげてほしい。
♦
未咲「よーし、あしたからこれして学校いくぞー、おー!」
ひとりではりきって、この日にはすでに装着して寝ることに。
未咲「おやすみなさーい……」
ただ、それがけっこうまずかった。
♦
未咲「ぐーすかぴー……」
おむつのおかげで、その手の心配をする必要がなくなり、この日はぐっすり眠れた。
未咲「んん……」
思えばこのむずむず感が、そのまんまそれだった。
未咲「ん……」
しぃ〜〜〜……しゅぉ〜〜〜っ……
いろいろな音をさせながら、わたしはおねしょしてしまっていた。
未咲「はぁ……」
寝言でも、しっかり開放感を味わっていたらしい。
♦
未咲「(あれ?! まさか、この感覚は……!)」
異変に気付き、わたしは飛び起きた。
未咲「はぁ……また穿きかえないと……」
ぐっしょりしたおむつを手にかかえながら、わたしは学校に行く。
未咲「(玲香ちゃん驚くかなー……春泉ちゃんでもいいけど)」
口角を上げながら、いい匂いがするそれをずっと持っているわたしだった。
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