感情語「エモい・マジ卍・エグい・すごい・やばい」
エモい・マジ卍。この二つは特に、若者言葉を代表する「汎用性」を持つ言葉ですね。特に後者に至っては品詞がわけわかめです。ちょっと調べてみると、どうやらだいたいは形容詞である一方、名詞や冠詞としての使われ方もあるのだとか。詳しく見ていきましょう。
〈感情語〉
まず、私はこのような意味が多岐にわたる「よくわからない」言葉たちを感情語と呼ぶことにします。例えば少し前は「すごい・やばい」が濫用されていましたね。
前提条件として、これら感情語はすべて形容詞です。「エモい・マジ卍・すごい・やばい」は何らかの事象を表現する言葉ととらえてみましょう。さて、またもう一つの特徴として、感動詞になりうるというものがあります。「エモ・マジ卍・すご・やば」など、短縮されたりしながら独立するんですね。
というわけで、感情語は①厳密な意味の定義がない ②形容詞形が一般的である ③変形して感動詞となる の三つが特徴です。
〈感情語の種類〉
上に挙げたもののほかに私が思いつく限りでは「エグい・尊い・映(ば)える」などがあるでしょう。それぞれふわっとした意味を付け加えるとすれば
・エモい:何か心が動かされるような様子。
・マジ卍:→すごい・ヤバい。
・すごい:程度が甚だしく、驚く様子。
・やばい:程度が甚だしい。
・エグい:(悪い方向の)やばい
・尊い:感動する。素晴らしい。
・映える:とても映りがいい。
となるのだと思います。でも、実はこういう意味付けって、あんまり有意義じゃないんですよね。今の若い意思疎通には「速度」「ノリ」の二つが重要なので、その場の「雰囲気・シチュ」によって、適当な感情語が決まるようです。例えば「マジ卍」と「すごい」はほぼ同じですが、「すごい・やばい」はスタンダードな言葉で、気分が上がった状況とかだと「マジ卍」になるのでしょう。ということで、またそれぞれに「使いやすい状況や対象」を書いてみると
・エモい:日常から少し逸脱した絵や写真・風景を見た時。
・マジ卍:テンション爆上げなとき。
・すごい:何もないときに使える。
・やばい:何もないときに使える。
・エグい:状況が好ましくないときに使う。
・尊い:好みの人物などに対する「すごい」とか。
・映える:SNSに挙げる用の写真に対して。
になります。この方がいいですね。なにせ感情語ですから。意味なんてほぼないんですよ。あるのはそれらに紐づけられた「感情・雰囲気」です。
〈まとめ〉
はい。感情語という枠組みはいかがでした? 結構いい分類だと思いますよ、我ながら。感情語は意味がなくて、場の空気に応じて使用できる語が自ずと決まってくるという特殊な言葉ですが、この先一般化していく可能性も十分にありますね。
その場合は、もしかしたら新たな品詞ができるかもしれません。「感情詞」とか(笑)。
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