第14話 シルヴァの秘密

 私が頼んだら護身術だけ許されたのはよかったと思う。


 なぜなら私にも魔力感知があって相手の動きが手に取るように解り始めた。


 と言う事はシルヴァも同じなのかな? それは訊いても解ることなのかな?


 今日もシルヴァはいるし訊いてみようかな。それに今は休憩時間だし。


「ねぇ? シルヴァ?」


 比較的に優しく問い掛けたつもりだ。一方のシルヴァは呼ばれて私の前にきた。


「どうしたの? ミサト?」


 シルヴァは不思議そうにしていた。いつもなら休憩時間中に話すことはない。


 もうそれくらいに特訓はきつい。と話が逸れている。元に戻そう。


「シルヴァはさ。魔力感知で相手の動きが判るの?」


 遂に訊いてきたかと言わんばかりにシルヴァは両腕を組み始めた。あ。可愛い。


「実はね。僕にはそこまでの動きが判る訳じゃないんだ。うーん。言えば下かな」


 言われてみればシルヴァは暗殺者に対して普通の動きを見せていた。下なのか。


「でも! ミサトは凄いよ! 圧倒的な魔力で最上級だもん! 凄いよ」


 はは。だけどクレーターばかりにしてもな。なんだか空しいだけだよ、実際は。


「有難う。シルヴァ」


 私は地面に座ったまま言った。これで解ったことがある。シルヴァは弱い。


 なのに暗殺者と対峙した時――。私を助けようとしてくれた、家族ってだけで。


 ああ。嬉しい。今になって思うけど助けてくれて有難う。シルヴァ。


「えへへ。きっとミサトは神に選ばれたんだよ。いずれ解る時がくると思うよ」


 神か。はは。あんな登場の仕方で本当によかったのかな~。あ。失言かもこれ。


「私が? 神に?」


 あはは。神を呪った私が選ばれたらこの世界の秩序が穢れるような気が。


「うん! あ! ミサト! 師範が戻ってきたよ!」


 お? 本当だ。相変わらず師範の体格は大きいから判りやすい。


 それにしても師範がきてから一週間は経とうとしていた。


 今日も休憩時間が終われば特訓の再開だろう、絶対に。


 ああ。今日もいつも以上に寝れそうだな、モフりながら。


 フフ。今日も明日もモフゥモフゥのためなら頑張れる。


 さてと今日も特訓を再開しますか。こうして私は静かに腰を持ち上げた。

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