第8話 初陣勝利!
はぁ~。なんだか緊張する。
戦場には出れるようになったけど旨くいくかどうか。
私とシルヴァは空を飛び敵本陣の上空まできていた。
あとは鳴る前に地面にクレーターを作るだけだ。
ふぅ。ここまでくるのにかなり苦労した。
なんせ聖女が最前線に出るもんじゃないとか言われた。
あは。それが出ないと貴方たちを護れない。だから――
やるしかないと奮起しようとした。絶対に成功させる。
さすがに敵は空にいるとは思わないだろう。今がチャンスだ。
私はシルヴァに敵の注意を引くように言った。
するとシルヴァは敵本陣にまで飛んでいき始めた。
お? シルヴァが敵本陣に突っ込んだ。あはは。敵が困惑している。
ちょこまかと動き回り注意を引いた後に私のところに戻ってきた。
よし! これで私は注目の的になった! シルヴァは私の肩らへんに止まった。
どうやら下の連中は人が宙に浮いていることに集中しているようだ。
中には驚きが隠せずに絶句や唖然とした
だけど問題はそこじゃない。ここはさっさと地面にクレーターを作ろう。
今の内なら注目を浴びているし効果が絶大だろうな。よし。やろう。
私はあっさりと指先に魔力を込め雫程度の玉を作り出した。あとは狙い撃ちだ。
そのためにも人の気配がないのが最低限の落としどころだ。という訳で――
私は人の気配がないところへ攻撃した。まるで隕石が衝突したような感じだ。
爆風は風船のように膨らみ少し経つと視界が開け気付けばクレーターがあった。
幸いなことに敵本陣は見晴らしのいい丘の上に構えており確認出来た筈だ。
私の光景を見て噂が本当だったかのような雰囲気を全ての敵が
どうやらほとんどの敵が戦意を喪失したようだ。よし。今ならいける。いこう。
私とシルヴァは急いで敵大将のところへと向かった。全ては戦争を止めるため。
意外にも簡単に敵大将を見つけた。あれだけ堂々と居座られていたらそう思う。
確証はないけど近付いたらますますそう思えた。宙で停止させ敵を見下した。
敵の中には悲鳴をあげ逃げ去ろうとする者もいた。あれ? やり過ぎたかな。
あ! でも! ここはビシっと! 言わないと駄目だよね? 絶対に!
敵大将に力強く「私は聖女の国のミサト! 平和な解決を願う!」と言った。
すると敵大将は「噂は存じている。貴女が新たな聖女の使者か」と言い始めた。
新たな聖女って私のこと? うーんと判らないけど今はそれどころではないよ。
だから私は「話を逸らさないで! 今すぐに平和な解決を!」と叫んだ。
そしたら敵大将は「貴女様のお力……確かにお
話が通じたと思い私はその場で一礼した。少し経つとどこかで笛が鳴り響いた。
この音は退散の合図だったと記憶している。きっと総大将の命令で鳴らした筈。
私は諦めなければ奇跡は起こせると痛感した。海側の端っこの二国でよかった。
ただ本番はきっとここからだろう。これからも私は負けないと気合いを入れた。
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