第3話 ナゴヤの映画館

今日、名古屋駅前にある映画館に行った。

今日から公開の『今日から俺は!!』を観るためだ。


ドラマの時から好きで観ていた。名古屋行きが決まった時にまず考えたのは、

「駅周辺の映画館調べなきゃ!!」。

仕事で名古屋来たんですよ、分かってます。


ここ一年ほど、自分史上一番のペースで映画館に行っていた。

実家の近くの映画館は近いところでも電車に乗らないと行けなかったので、

せっかく行くならとお昼前に出て、「映画館周辺で昼食→映画鑑賞」のコースを一人堪能するのが、たまの楽しみになっていた。


それが社会人になり、このようなご時世も相まって中々行けなくなっていた。

行かなくなったらなったで「そんなもんかな」という気になっていたのだが、

今日久しぶりに(恐らく、4か月のブランクを経て)映画館に行って、感じた。


映画館、チョー楽しかった。


映画を観るだけといえばそれだけだ。でも、映画館で観るというのが私にとってはこの上なくワクワクものなのだ。


私は、本編が始まる前の予告から眼鏡をかけて、スタンバイする。

ちょっと早めに入って、自分の気持ちをこれから始まる映画に向ける。

この「待ち」の時間が、私はとても好きだ。


映画は、終わった後も良い。

エンドロールが終わり、一瞬間が空いた後に明転する劇場。

おもむろに外に出ると、何事も無かったかのように挨拶をしてくれる係員の方々。

「自分は外の世界から切り離されていたのだ」という不思議な感覚を抱かされる。


今の時代、わざわざ映画館に行かなくても同じものを観ることは簡単だろう。

でも、私は映画館に行きたい。


まるでポップコーンの香りに誘われるように私はあの場所に行き、

何も買わずにただ映画を観て、カタルシスに襲われて帰路につく。


名古屋にいる間、もう一回は行くはずだ。来週には『コンフィデンスマンJP』が公開される。

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