第3話 実在した!~トイレの花子さん~


この話は実際にわたしが体験した話です。


小学生の時の話です。

通っていた小学校にトイレはいわく付きで、怪現象が頻発し、最終的には埋め立てられました。


そのトイレは、手洗い場がトイレの外に設置されていました。

鏡を覗くと、トイレの出入り口が映ります。

小学生用なので、手洗い場はさほど高くなく、出入り口は足元まで見えました。


授業の始まる直前に急にトイレに行きたくなったわたしは、急いでトイレに向かいました。

授業が始まる直前ということもあり、トイレには誰も居ませんでした。


わたしは個室に入ると、突然、隣のトイレから水を流す音がしました。

誰か居たのかと思うくらいで、気にも留めませんでした。


そのあとに妙だと思ったのは、足音が聞こえないことです。静かにする必要もなく、人が出ていく気配がありません。


すると、ドアの下で影が揺れました。

トイレの入り口からトイレの奥の方向へ、人の影が通ったのです。

出ていく気配は無くとも、自分と同じように直前でトイレに駆け込んできた誰かだろうと思い、用を済ませ個室からでると、トイレは誰も居ませんでした。


授業がもう始まってしまうので、わたしは気にしている暇もありませんでしたが、手を洗いながら、何気なく鏡をずっと見ていました。


すると、誰も居ないはずのトイレから1人出てきました。

その人は子供というより大人の大きな足で、素足でした。足に傷はなく、綺麗な白い足です。

くるぶしまで届きそうな、赤色のレースのようなドレスを纏っていました。


わたしは「トイレで素足って!」と思い振り向くと、そこには誰も立っていませんでした。


鏡を覗いても、もうその人は居ません。


わたしは見てしまったと思い、教室に戻り友達に今の出来事を話しましたが、皆、半信半疑でした。


その後はもうその人影を目撃したことはありませんが、今でもあの綺麗な足は鮮明に思い出せるのです。



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