合体魔法
「『
ヒサ姫の大魔法が華麗に炸裂し、何人もの敵兵を吹き飛ばす。いつ見ても、こんな時でもヒサ姫の繰り出す魔法はとても残虐でとても美しい。
おっと、見惚れてる場合ではないな。主君が戦っているんだ、その臣下が戦わなくてどうする。
と、いうわけで俺も大魔法を使おう。
「『
何人もの敵兵を焼き払う。汚物は焼却だー!………なんか違うな。なんというかしっくりこない。
…なんて思っているとヒサ姫からお声がかかった。
「リーヴァス、付近の敵を薙ぎ払うからまた
「承知しました!」
超魔法のため、発動するには高度な魔法技術と術者同士の深い信頼関係が必要となる。そのため、普通の魔導師同士では一生かけても発動する事ができない…が、俺とヒサ姫には魔法技術も信頼関係もある。つまり余裕で超魔法が使える。
これが、ルブルム帝国が他国を簡単に侵略、征服できる理由の一つだ。
遊び感覚で……というか実際に遊びでバンバン超魔法撃ってたからなぁ……。
俺の炎魔法とヒサ姫の風魔法は属性的に相性が凄く良いのだ。だから敵が吹っ飛びやすくなって、見る分としては最高のエンターテイメントだったし。
「『吹き荒れる風は風神シルフの如し』」
「『燃え続ける炎は炎神ロキの如し』」
「『吹き飛ばせ』」
「『焼き尽くせ』」
「「『
炎が風の影響を受けて尋常じゃない大きさと威力になり、敵を襲う。その姿はまるで業火でできた巨大な台風だった。
そして後に残ったのは、これから先、草木が生える事はないと思わせるほど焼け焦げた大地と、炭と化した人であったモノ、それだけだった。
「ふぅ…これでここら一帯の敵は殺し尽くしたようね。また敵が来るまで間ティータイムとしましょう。リーヴァス、部屋に戻るわよ」
「かしこまりました。紅茶の種類は如何いたしましょう」
「あなたに任せるわ」
近くにいた味方の兵士が炭と化したモノを見て必死で吐き気を我慢している。…それで良い。ヒサ姫の近くで吐いたら今度はお前が
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数時間後、また敵が攻めてきた。相手は俺とヒサ姫を休ませないように絶え間なく攻撃を仕掛けたいようだが、さすがに兵士の士気を上げるのと隊列を組み替えるのに少し時間がかかったようだ。
むしろ数時間でできた事に少し驚いた。さすがは連合国軍、数が多いだけあって優秀な人材が揃ってるな。
それからはまた悲報が続いた。
「第5部隊長、エスカリエ様が戦死なさりました!」
「第8部隊がまるごと離反しました!」
「第9部隊が第8部隊に連なり、離反しました!」
「第16部隊に敵の魔導砲が直撃!壊滅しました!」
などなど。壊滅した部隊に増援を送り、離反した部隊には俺とヒサ姫で天罰を下した。
俺とヒサ姫で何回も敵部隊を殲滅したものの、相手は多大な兵数で侵攻を続けた。
戦闘は続き、各国の大魔導師の数十倍はあると言われた俺とヒサ姫の魔力量にも、底が見えてきた。
そして、遂に滅亡へのカウントダウンが始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます