第56話 突撃するしかないじゃない【浅日詩書】
「う〜ん……あぁ……」
ゴールデンウィーク初日の今日、私は部屋のベッドでゴロゴロしていた。
だって仕方ないじゃない。
オビったらせっかく遊びに誘ってあげたのに「わりぃ、今日部活」「明日は男子会なんだ」って断っちゃって!
部活はまぁ仕方ないよ?
でも男子会ってなに?
初耳なんですけどっ!?
いや、初耳では無かった。副委員長の
人を見た目で判断するのはどうかと思うけど、身長も高いし目も鋭いしあの風貌で凄まれたら逃げ出したくなる。今もどこかでヤンキーに間違われてたりして。
ってそんな事は置いといて結論だけいうと――暇なのだ。
遊べると思ってたオビには断られるし
いやいやいや悲観しないのよ私!
別に友達の多さがステータスじゃないんだから!
でもね、こうね、暇だなーって時に気軽に誘える人がね……うん、やめよう。悲しくなってきた。
とりあえず私は八つ当たり気味に真下に居るであろう幼馴染の部屋に足踏みした。いや、今はもう部活行ってるんだっけ。
あぁ、暇だなぁ。
――――――
ピロンッ
対してする事もなく、お昼を食べてお母さんの話し相手になって愛犬のオビ吉の餌をあげているとテーブルのスマホが通知を告げる。
暇を持て余していた私は飛びつくようにスマホを持つと画面をタップする。
「ん?
差出人は同じクラスの
こういう時に趣味があるっていいなぁと一瞬思ったけど内容を見て考える。
寄鳥:バードウォッチングしてたらオシドリ見つけた。
オシドリってなんだっけ?
と考える間もなく文面のすぐ後に1枚の写真が送られてきた。
「な、ななななななっ! なんじゃこりやぁぁぁぁぁぁ!!」
思わずリビングで叫んでしまった。
お母さんは手に持ったコーヒーをこぼすし、オビ吉はダッシュで部屋から出ていった。しかしそんな事は些細な事と思えるような写真がスマホの画面に映し出される。
翠ちゃんからのメッセージはクラスの女子グループに飛んできたもの。そして私と同じく暇(確定っ!)をしていたクラスメイト達がわんさか集まってきた。
浅日:これどこ? いつ撮ったの?
寄鳥:場所は
よしっ!
暇つぶし見つけた!
と思った私は寄鳥ちゃんに監視を頼みつつ急いで準備するのだった。
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