第7話 冒険者になろう!そして襲撃!?
「ここがデナンタか……」
『うん。唯一駆け出しの冒険者が多い街とも言われてるんだ』
この時代でも冒険者がいるのは正直ありがたい。
無くなってたらどこに職を就けというんだよ。
まぁまずは冒険者ギルドを探そう。
街中をうろついて数分、上の看板に冒険者ギルドがあった。
ようやく見つけた、と息を吐いた後、木製の扉を開ける。
「ようやく、稼ぎに行ける……」
受付に行き、冒険者になるための登録を始める。
受付嬢が水晶玉を用意したが、登録手続き中に受付嬢が僕に話しかけてきた。
「あなた……魔物ですか?」
「!」
『え!?何で分かったの!?』
「そうだと言ったら?」
「なら、こちらの水晶をお使いください」
成程、どうやら人化を得た魔物が人間社会に混じって社会貢献を働いている輩が居て、何かしらの手柄を立てて、人間社会に貢献するなら冒険者になれるようにしてくれたのかな?それはそれで大手柄だよ。
「……種族は?」
「影喰い。【
「「………」」
ここまで言っちゃったけど、不味かったかな?あたりの目線が痛いんだけど……。
「魔物冒険者用の水晶です。触れてください」
見た目はただの水晶だけど、特殊な加工でも施されているのかな?
何の警戒無く触れる。
すると水晶にヒビがはいる。
「……は?」
は?じゃないよ……ヒビ入ったんだけど、これどうなの?
「えーと、カゲミチ様。どうやら相当大きい魔力を持ってるようで……」
まぁ異世界から来た魔法使いは水晶玉を粉々に砕けたって話があったし、恐らく自分のは大丈夫だろう。
そう安心した時だった。
バキィィィィィン!と音が響いた。水晶玉が砕けたのである。
「え……砕けちゃった」
周りを見ると他の冒険者達は目を丸くして僕を見ていた。
確か、所持している魔力が大きすぎると水晶玉がその魔力の圧に耐え切れなくなって粉々に砕けるんだったね。
これはやってしまった……。
*
「ええ……登録完了です。最初はDランクからです」
「?最初はFからじゃないの?」
「はい。ここまで魔力の高い魔物冒険者はFではなくDから始められます」
おお、マジか。これはラッキーだな。魔物討伐もできるって訳か。
「また、普通の冒険者として扱われるため、魔物の名の部分は伏せられます」
成程なぁ。ここまではミチル君の教科書通りだ。確かに不自由なく冒険者として活動できそうだ。
「そうか、ありがとう。早速依頼を選ばないとね」
しかしその前に。
『仲間を募集してみない?』
(確かに頼れる仲間がいないとこなせる依頼も失敗するからね。まずはそういう依頼を作ってみるか)
受付嬢に頼んで、事情を話した後、その依頼書を張らせてもらう。
後は様子を見るしかない。まぁ魔物冒険者って聞いたことないんだよね。
『魔物冒険者とは――――』
ミチル君曰く。魔物冒険者とは人間に協力意思を持った人化を得た魔物が善行する者をそう呼ぶらしい。
まぁでも早々簡単に人は集まらない。地道に待ってみるのも手だね。
「じゃあまずは鍛冶屋に行って武器を決めよう。正直槍だけじゃ心細いし」
ミチル君の話によれば、新技術「銃」という物があるらしく、弓矢より射程範囲が長く、狙撃もできるだとか。まぁまぁ、じっくり見て行こうじゃあないか。
外に出ようと扉に近づいたとたん。
外からあわただしい声が聞こえた。魔物でも入ったのかな?
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