第45話「へい SAY」

 僕の友達は通称「へい」である。

 

「いつも へい へいとうるさいけどHEYという意味か?」

 

「ちがうよ ヘイ」彼はSAYする。

 

「なんだよ ヘイって?」

 

「甲乙丙の丙みたいなもの へい へい へい」

 

「はい はい はいということか…お前俺を馬鹿にしてるのか?」

 

「へい」

 

「へい ヘい 分かりました 改めます」

 

「へい」彼はセイする。

 

 僕の友達はいつも塀越しにしか話しかけてこない。

 

「だって高い塀なんだもん!」「礼!」

 

 或る日彼は塀をよじ登り僕に話しかけて来る。


 「何しに来た?」


 「やっと乗り越えたよ へい」一見会っている会話。


 「戻れ」

 

 あと何年この塀の中で、彼と看守の僕は同じこと繰り返せばいいの…HEY 誰か教えて!!昭和からへいSAY、霊話の如く「ヘイ 和」は続く…ふたりだけ

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