第43話 「ジャンル不詳」

 作家は渾身の一作を書き終えネットに即UPする。ジャンルを何にしようか悩んでいる。

 

「あまりにも普遍的な作品になってしまった。どうしよう…」

 

 家族にまず相談する。

 

「なんでもいいんじゃない」

 

 軽い。あまりにも私の渾身の一作に対する評価が低い。

 

 次に、作家仲間に相談する。

 

「その他でいいんじゃない」

 

 無責任だ。仲間は皆自分の作品で頭が一杯だ。

 

 最後に、師匠の大文豪先生に相談することに決める。

 

「もしもし、大先生にお会いしたいのですが」

 

「ただいま、執筆中ですのであと50年はお会いできません」弟子が答える。

 

 深い。深すぎる。流石、大文豪の師匠。1作に50年もかけるとは。創作に対する意欲がハンパ無い。

 

「ん? ハンパ ハンバ 半ば なかば」

 

「半ばの頃」(自然と出来た詩)

 

 大抵の人は生の半ばだ。しかし、を覚悟した人たちも尊く儚い言葉を残していく。

 

 生を受けたばかりの赤ちゃんも、成長半ば。まだまだ伸びる。

 

 学生はせにかんを背負って生きていく。これから果てしなく続く、一生を背負って。

 

 端折って、ガンバレ!

 

 今を生きれ。今を半ば生きる。中途でいい、中庸に生きよ。

 

 「そうだ ジャンルは 中」


 中くらいの評価しか、得られず仕舞いナ 字 END

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