第35話 回数字「31913」
占星術もタロット占いも風水、手相、顔相占いも全部試してきた。でも私の恋は実らない。仕事運も金運もぜんぜん上がらない。
「私の人生って こんなものなのね」
私は毎朝、手鏡を見てため息を101回吐く。
「お嬢さん そんなことばかりではありませんよ」
突然、鏡の中の神が話しかけて来る。
「あなたに ラッキーナンバーを教えましょう」
「ぜひ 教えてください」
「メモを取りなさい」
「はい」
「31913」
「それだけ」
「それだけです」
「どんな意味が?」
「前から読んでも 後ろから読んでも同じ 更に意味がある」
「まるで回文みたいね」
「よくご存じで…それより効力が深いのです」
「ありがとうございました」
それから、私はその回数字のあらゆる可能性を考慮しながら行動し、またその意味をずっと考え続けている。もしかして怪数字、いやそんなことはない、快数字に決まってる。
一向に運のいい事や素敵な出会いなどは一切ない。
「鏡の中の神様なんて最低ネ」
遂に言ってしまった。後悔した。でも見つけた。
319133191331913319133191331913319133191331913319133191331913319133191331913319133191331913319133191331913319133191331913319133191331913319133191331913319133191331
「遂に見つけたわ。13931。社員番号がこのナンバー。この人が私の運命の人だったんだわ」
「あのー 貴方の社員番号って13931よね」
「君こそ 31913だよね」
盲点だらけであった。恋と数字は回り続ける…
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