第16話 チュー禁

 2049年、我が国は完全に往瞑化していた。

 

 自動車や電車、バスや飛行機など既存の移動手段が全て存在しなくなり、移動手法は瞬時瞬間移動のみ。

 

 道もなくなり、空中に電チューだけが存在した。

 

 電線は無い。

 

「ウー ウー --」

 

「しまった捕まってしまった」

 

 ぼくは警察官の指示に従い切符を切られる。

 

「チュー禁違反ですね」

 

「確かに」

 

 

 ぼくは、うかつにも公衆の面前で『チュー』いわゆる『KISS』をしてしまった。

 

「一巻の終わりですな」

 

「はあ」ポリ ポリス

 

 

 僕の罪は重かった。

 

 だって、空中統括警察署長令嬢である婦人警官と路上でチュー禁もみ消ししちゃったから…禁断の接吻

 

「確かに節操なかったな」


 来年には電チューもなくなる。電チューに隠れて禁じ手をすることもできなくなる。今のうち思い切ってやっていこうゼ!

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