第2話 コンビニ店長の記憶 二階堂君②
「キレイナコ だなあ。」
二階堂君も僕から見れば十分綺麗な子なんだけど、あれ?なんだこの子すっごい綺麗なんだけど!という子が最近夕方現れるのだ。
真っ黒い艶々した髪。びっしりと生えた長いまつ毛。色白のせいだからか際立つ赤い唇。
なんかキラッキラッした子がよく来てる。
160cmくらいの細身の・・・多分中学生の男の子。
あれ、男の子だよね近くの中学の制服だし。ズボンだし。髪短いし。
「店長?」
「心当たりはある なんか大まかな特徴は当てはまっている、、けど。」
「けど?」
「その子は男の子のような気がする。」
残念そうに答える僕に二階堂君はパアぁぁと顔を輝かせた。
「彼女の弟です!あの!その子が来た時、二階堂君がここで夜バイトしているよって言ってもらえますか。」
「う・・うん」
二階堂君は元気を取り戻し、またハツラツと働きだした。
翌日夕方。
女神の弟が来店した。
「いい・・いらっしゃいませぇ!!」
彼の周りからはキラキラした何かが、周りから零れ落ちるよう。
レジのタイミングで話しかけなければとレジに入る僕。
麦茶1Lをスキャンして清算する。
「あっ あの・・・。」
「ストローおねがいします。」
意外に低い声にちょっとびっくり、やっぱり男の子だ。いやいやそうじゃない二階堂君のミッションをこなさないと。
「あのっ うちの店に二階堂君働いてます。夕方6時からの勤務です。」
僕の顔を綺麗な瞳で直視する女神の弟。ドキドキするおっさんの僕。
「そう 伝えて欲しいと言われましたっ」
「そうなんだ。」
そう言って女神の弟は店を出た。通じたみたい。
50も半ばなのに、綺麗な人には卑屈になっちゃうなぁ。すっごい年下でも。
出勤した二階堂君は伝言したことを伝えるとすごく感謝してくれた。
働きながらもすっごいソワソワしている。
僕も女神降臨をまち詫びていた。
あんな綺麗な弟のお姉さんはどんな美しい人だろう。ワクワクが止まらない。
ワクワクしていて数時間。
女神は一向に現れなかった。
高校生はこの地域は高校生のバイトは夜9時45分まで。
9時を過ぎても、いつもの常連客ばかりだった。
今日は、来ないのかな。僕のワクワクを返して。
「ねぇ お前何歳?」
品出しをしていた二階堂君にバリバリのウォーター系のお姉さんが話しかけた。
「? 16ですが お客様いかがいたしましたか?」
二階堂君を上から下まで眺めて
「すっげぇ好み。恋愛関係があったら淫行にはならないだっけ。」
街中なのに胸の谷間強調して二階堂君の腕を取ろうとする。
あわわわわ!!めっちゃ逆ナンされてるぅ!
二階堂君も若干困惑気味だ。店長として助けに行かなければ!
その時、都内最果ての貧民区に女神が降臨した。
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