同級生6

 ピコンと音を立ててスマホが鳴る朝7時。この音は、私の大好きな人からの連絡の知らせ。

 メールを開いてみると、『今日の放課後に資料室』と書いてあった。

 私はこの大好きな人、もといみなみ海斗かいとのパシリにされている、北川きたがわらんである。

 なぜなのかは想像に任せるとしよう。最初はとても怖くて逃げ出したくなったことが日常。

 今では怖いどころか大好きまでいってしまったんだけどね。だから何とか隠せるように走り回っていた。

 さて、今日はなんだろう。


 ❀❀❀


 今日の授業を終えると、ダッシュで資料室へ向かう。海斗は既に来ていたらしく、不機嫌そうな顔だ。

「遅せぇよ」

「ごめんね。それで、今日は何?」

「お前、なんでそんなに元気そうにしてんの?」

「どういうこと?」

「俺を怖がんねえのかって聞いてるんだよ」

 なんだそんなこと。

「だって、怖くないじゃん」

 そう答えると、海斗はポカンとしていた。

「私なんか変なこと言った?」

「いや、そんなやつ初めて見たから」

「じゃあ私は第一号だ!」

「アホか」

「うん、アホ」

 ふと、今好きだと言おうと思った時、

「俺と付き合え、蘭」

 そう言われた。

「……え?」

 なんて言った?

「返事は?」

「は、はい!」

 今日は私の勇気は必要なかったね。

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