幼なじみ


 私は幼なじみの健に、幼稚園の頃からの片思いをしている。

 もう10年以上だ。

 なんで一人に執着するの? って思われたこともあるけど、健は、とっても優しくていい人だから、思いも伝えずにそばにいる。

 けど、それにはもう限界かもって思ってる。

 なぜなら彼は、学校一のモテ男だから。

 女子に付きまとわれていてもううんざり。

 今日、彼に告白するんだ。

 それで呼び出したのだけど、心臓バックバクだよ。


 ──ガチャ

かな? 呼び出しって、どうしたの?」

 もう彼が来てしまった。

「実はね、けんのことが……好きなんだ」

「……え? それ本当?」

「嘘で言うわけないじゃん」

「まじかよ。ちょー嬉しいじゃん」

「う、うれしい?」

「俺は奏のこと、ずっと好きだったから。

 言おうと思っても、言えなくてさ」


 私はうれしさで思わず健に抱きついていた。


「俺、奏に先に言わせるとか、男失格だね」


「そんなことないよ。私は幸せ」

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