先生

 今日は私の最後の登校日。

 卒業式だった。

睦人りくと先生と全然話せなかったな……」

「何、俺の話?」

「えっな、なんでここに先生が」

「この前の返事、してなかったって思い出して」

 私は先週、あとすこしで卒業だからと思って、勇気を振り絞って告白した。

 でも、そのあと返事を貰えなかったんだ。

「返事って、いまさらですか?」

「うん。いまさらだよ」

「期待させないでくださいよ」

「あっ、期待させてた? じゃあ狙い通りだ」

「?」

「俺もお前が好きだよ。……あの時は、まだ卒業してなかったから返事はしなかった。けど、今はもうこの学校を修了したから、今すぐに言いたかった。好きだよ」

 まさか、先生が。


「俺と付き合って」

「はい! もちろんです! ってこれ、夢じゃないよね?」

「ははっ。夢じゃないよ」



 ___チュ


「これが証拠ね!」


「っ!」


「あーもう。可愛すぎ」



 こうして付き合い始めた私たちでした。

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