ホワイトデー3

「おい、ミカ早く来いよ」

「りんが歩くの早いんだから、ちょっとは合わせてくれてもいいでしょ」


 りんと私は、幼なじみだったけど、バレンタインで結ばれた。


 なのに、ホワイトデーの今日は、お返ししてもらえる気もしない。


「ミカ、こっち向いて」

「うん?」


 りんの方を向いた瞬間、口の中に甘い匂いが広がった。


「これ、チョコ?」

「……」

「りん、覚えてたの?」

「ホワイトデーだろ? さすがに俺でも忘れねえよ」


 その言葉を聞いた時、もらえないと思ってたから、ほんとに嬉しくなった。


「ありがとう! りんの事だから、忘れてるのかと思ってたよ」

「忘れるわけないだろ」

「えっ?」

「だーかーらー、ミカのことなのに、俺が忘れるわけないって言ってんの」


 驚いてりんの顔を見ると、耳まで真っ赤だった。


「ふふっ真っ赤だね」

「お前のせいだよ」

「へー。ほー」

「うるせえな。」


 チュ


 この日は忘れられない日になった。

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