過去②

「~♪~~♪」


私沙希

天真爛漫お茶目な女の子

今日は日課のママと犬のポロとお散歩!

今はポロが疲れたから公園でママと休憩してるんだけど

私はまだ歩きたいから一人で公園を冒険中!!

もう11だからね

一人でも平気です


カサカサ


音がした方に向いてみると

ただの落ち葉でした!

ん?

落ち葉だけじゃない?

なにか黒いのが…

え…

まさかあれって…

噓でしょ…?

嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ

「キャーーーーー!!!!!!!!!」

蜘蛛だ!蜘蛛だ!

逃げなきゃ!

蜘蛛こわい蜘蛛きらい!


ドスン!


「いった~…」


びっくりして転んじゃったみたい

怖くてその場から動けない


ガサガサ


え、今度はなに?

蛇とか出ないよね…嫌だよ、怖いよ…


「…」


男の子だった

年下かな?

クラスの子と比べて少し小さい子だった

その子は私を見てから蜘蛛のほうをみて

また私を見た

こっちに来る

何かな?

私の前でしゃがんで膝に手を添えた

あ、怪我

さっき転んだ時怪我してたみたい

男の子は少し見てからまたどこかへ行っちゃった

と思ったらすぐ帰ってきた

そしたら濡れたハンカチを私の膝に巻き付けてくれた

男の子はなにもしゃべらない

お礼言わなきゃ


「ありがとう…キミ、すごいね。」


男の子は少し顔赤くして


「う、うるせー、早く立て」


そういいながら手を差し伸べてくれた

言葉は少し乱暴だけどすごい優しい人なんだな


「う、うん」


男の子の手をつかんで立ち上がった

あ、そうだ。自己紹介しなきゃ

私のほうがお姉さんなんだから(多分)

先にしなきゃね


「えっとね、あたし、沙希。あなたお名前は?」


男の子は一回目を見開いて

急いで視線を逸らして


「…晴樹。」


とぶっきらぼうながらも自己紹介してくれた

晴樹君はきっと恥ずかしがり屋さんなんだろうな


「晴樹君かぁ…えへへ覚えた。ありがとうね晴樹君。助けてくれて」


晴樹君は頭をポリポリかきながら


「ま、まあな。どういt「お兄ちゃんああああん!!!」しまし…て…」


元気なちっちゃな女の子が走りながらやってきた

お兄ちゃんと言ってたから多分晴樹君の妹さんなんだろう


「やっと見つけたお兄ちゃん勝手にどっかいかないでっていっつも、ってその人誰!?またお兄ちゃん女の子助けたんでしょ!!悲鳴聴こえるといつもこうなんだから!」


「えっと…私だけじゃないんだ…」(ボソッ)


まあ

それはそうだよね

晴樹君言葉遣いちょっと乱暴でぶっきらぼうだけど

すっごく優しいもん

私だけなはずないよね

一人で舞い上がっちゃってバカみたい…

恥ずかしい

逃げ出したい

早くこの場から立ち去りたい


「あーえーと助けてくれてありがと。じゃあ私もう行くね。ママが心配しちゃう。それじゃ!」


バカバカバカバカ

私だけなはずないでしょ

何自分だけ特別扱い受けようとしてるのよ


「気をつけろよー」


別れ際もしっかりと私を心配してくれてる

なんでこんなに優しいの晴樹君は

見ず知らずの女の子に

なんでこんなことできるの



「勘違い…しちゃうじゃん…」

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