イチャイチャ?ふざけんなただの団らんじゃねえか

北村を追っ払ってまでした俺たちのイチャイチャの仕方はというと…

「お兄ちゃん強すぎぃ」

「ハッ、ガノ〇ドロフの高火力舐めんな。」

ただのゲームだ

「やばい!着地狩りされる!」

「当たったらいいなー(棒)」

ゲームセット!

うん。ガ〇ンの横スマは気持ちがいいね

たださっきから気になってることが…

「おい、いい加減降りろ。重い。」

俺の膝の上に座ってちょこちょこ画面が隠れる地味な嫌がらせが来るのだ

「あー女の子に重いとか言っちゃだめなんですー。女の子は天使のように軽いんでしー」

「なにが天使だ。休日にはぐーたらリビングで横になってヘソかきながらせんべい食ってる怠惰の擬人化みたいなやつが言っていいセリフじゃないぞ」

「そんな平日の昼ドラみてる40代主婦みたいなことしてないもん!」

おお、なんか適格過ぎて頭にイメージできたぞ

「いやしてるって…んお?もうこんな時間か」

時計の針は午後8時を指していた

バイトから帰ってきたのが6時だからかれこれ2時間はゲームをしていたことになる

「夕飯は?」

「お母さんが肉じゃが作り置きしていったよ」

「お、やったね」

うちの両親は共働きで仕事内容が少し特殊なため夕方から始まって明け方帰ってくるから学校行くときは家にはいるが寝ている

だから休日以外は会話することはめったにない

夕飯は大体お袋が汁物と小鉢となにかメインを作っておいてくれているので

そのまま温めるだけでいい

たまに『おいて二人で相談してなにか買って食べて』

というメモと一緒にお金がおいてあるときがある

今日は俺の大好物の肉じゃがらしい

「「いただきまーす」」

「うん。うまいな」

「ねー。」

お袋の肉じゃがは店では出せない家庭料理の究極という感じだ

水を使わず野菜や調味料の水分だけだから

じゃがいもは煮崩れせずなおかつ調味料や豚バラのうまみをギュって吸ってくれる

からご飯のおかずにも最適だ

「ズズー」

味噌汁は生わかめ、油揚げ、豆腐といったシンプルな具材なのだが一つ一つが喧嘩しないのにしっかり自分を主張してくる

豆腐は自家製なので市販のと比べて味が濃厚で舌触りもなめらか

だけど簡単には崩れない最高の豆腐だ

そうこうしているうちに食べ終わってしまった

「「ごちそうさまでした。最初はグージャンケンポン!」」

ごちそうさまをした後はすぐにジャンケンをし

勝ったほうが先に風呂に入り

負けたほうが食器洗い

というわけだ

「うわー負けたー」

「じゃ、私は先に入ってくるねー。お兄ちゃん頑張ってー」

「うう」

まあ皿洗いは嫌いじゃないしまあいいのだが

先に風呂に入りたかった!!

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