第29話 「666」
ぼくは意を決して友人に告げる。
「とてつもなく恐ろしい、史上最悪の数字の配列を発見した」と。
友は「いったい、それは何だ」と真顔で尋ねる。
「1000000000000066600000000000001」
「あっ、それなら知ってる」
友は軽くリアクションし、重い言葉を発する。
「それって、ベルフェゴール素数だろ。俺ら悪魔の中じゃ常識さ」
「俺らって、ぼくも悪魔!?」
ぼくは悪魔だったことを真摯に受けとめる。
「じゃ行くぞ」
「どこへ」
「宣告さ」
「何を宣告するの?」
「まあ ついて来いよ」
彼は薄いみどり色の公衆電話BOXに入り、おもむろに受話器を取る。ダイヤルを回している。
「えーと 03の1の次0が13回、666の次また13回、よいしょ 1 最後にどっこいしょ 03 ああ ダイヤル回すの面倒くさいなぁ えっへん あー あー ワンツー宣告します!」
「だれに宣告したの?」
「お前の一番嫌ってるやつに決まってるだろう」
パンチ OUT!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます