第32話 「8181」

2020年7月で50歳を迎える。同窓会の席で、関係のない隣のテーブルの誰かが言った。

 

「東京オリンピック開催している時は私たち50歳よね。違うだろう1年延期だから51だろう」

 

「そうね、どっちにしても、いそじよ」と。隣のテーブルの誰かは顔が見えない。

 

 

 202050「ニーマル ニーマル ゴー マル」の発音



 

「なんか 隣のテーブル ブラジルぽくない?」

 

「ゴーダマ シッダールダ ブッタぽくもない?」

 

「暗号ぽくも…」



 

 一気に青のあの頃の雑談トークぽく盛り上がる。青春に戻れた?

 

「一言伝えていいですか?」

 

 当時から優等生だった男が発言する。

 

「実はぼく、君が好きだったんだ。今でも」


 

 視線は私を見つめている。

 

 突然の告白に場が凍りつく。気を利かせた私の親友が話を戻す。

 

「202050って にとご だけだね」

 

「そうだ にこにこ ってことかな」

 

 優等生の親友の男子も必死にフォローする。


 『202051』の意味を考えよう!

 

 まるで同窓会での会話は、あの頃に戻っているようだ。懐かしんでも青春は戻らないものなのに…漢涙;

 

 

「さあ 202050に向け乾杯だ!」当時の生徒会長が仕切る。

 

「乾杯!お互いの健康に!!」

 

 現実はこれで正解。でも、帰り際にさっきの彼に挨拶しとこうかな…

 

「じゃぁ 8181」

 

「はいはい」

 

 彼の返答は素っ気なかった。

 

「これも現実か 118いいわもう」

 

 家に帰ると、マイスイートホームは、81居になっていた。旦那がハイハイして赤ちゃん帰りしていた。

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