駆逐せよ!わが家のG!!

小梅

1匹目

 事件は昨日の夜、私たちが外食から帰ってきたとき起きた。


 私たちは10階建てのマンションに住んでいる。私の部屋は玄関をくぐってすぐ目の前。私は休みの日の1/3は布団の上で過ごす布団の妖精だ。故に私が帰ってそうそうおふとぅーんだぁーーーーーーいぶをすることは安易に読めるだろう。


『ただいまーーーーーーーーー』


 だからこそだろうか。もしかしたらこれは計画的犯行だったのかもしれない。

 私はおふとぅーんだぁーーーーーーいぶをした。これが悲劇の始まりだとも知らずに。


『あーラーメンおいひかっ.......』


 体が固まる。なぜだろうか?何かが、こう、こそばゆい感覚が足を通過したんだ。

 普通人間の本能的についつい見てしまうだろう?私はまんまと奴らの策略に乗ってしまった。

 もう気づいてるだろ?そうだよいたんだよ!私の足のすぐ近くに!!くそが!!

 無言が続く。が、先にこの硬直状態を打ち破ったのはやつだった。


『ぶぶぶぶぶぶb(コンニチハ!)』


『おとうさーーーーーん!!!』


 あいつ何考えてんだ。おとなしく立ち去れば殺しまではしなかったものを!!

 ちょ、まってこっちくんな!うわ、こいつ顔めがけて飛んできやがった!どんだけイラつかせたら気が済むんだ。

 と、ここでドタバタと廊下を走る音が聞こえてくる。


『抗原発見!!くらえ、真剣ゼミアタック!』


 説明しよう、真剣ゼミアタックとは妹宛てに毎月送られてくる雑誌なのである。なお、新聞紙より固いため殴られると結構痛い。


 バシーン


『お父さんナイス!!でも来るの遅い!!!』


『ヒーローは遅れてやってくるもんだろ!!』


 だがしかし、まだピクピクと足が動いている。気色悪いことこの上ない。

 だが、これでしばらく平穏が続くはずだ。さてと、冷蔵庫の中のプリンでも食べよう。


『はぁ~あ、お父さん。死骸をなんかに包んでゴミ箱に捨てといて。あと、床に消毒液かけて掃除しといて。んで、コンビニでコーラ買ってきて。』


 バシーン








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