第2話 ハタチの夏

早速ですが、今日不意に昔の恋愛でエモエモな(エモいってよく分からないけど使っちゃうよねぇ)エピソードを思い出したのでここに残しておこうと思います。


ハタチになったばかりの夏。

ブリーチでパサついた髪、こんがりと焼けた小麦色の肌をこれでもかと見せつけるペラペラのタンクトップにダメージデニムを履いていた記憶。

若いってすごいよね。服から自信に満ち溢れてるもん。


私は初めて行く美容院に向かっていた。

田舎の駅から歩いて15分。駅の周りは小さな交番と、少し歩いたところに公園があったかな。


お店の外観は緑に囲まれていて、ガーデニングがとっても綺麗だった。

螺旋階段を登ってお店の中に入るとアンティークな内装でそれはそれは私好みすぎてテンのアゲでした。


担当の美容師さんは話し方が柔らかい若いお兄さんだった。

これがエモエピ(?)の重要人物である。

どんな感じにしますか?仕事は何をしてるんですか?まぁ普通の会話をした記憶があるけど5年も経つと細かいところは忘れてしまうものですね。


綺麗に仕上げてもらった後、お兄さんがお店の外まで送ってくれた。

そこで連絡先を聞かれあれよあれよとそのまま交換。

そこからこの美容師お兄さん(この後はたくやくんと呼ぼう)との関係が始まった。


私は当時美容院でフロントの仕事をしていて、同じ美容業で気を許してくれたのかな?なんて連絡先を交換したことに対して深く考えていなかった。


連絡はぽつりぽつりと続いていて、たくやくんと私はビール好きと言う共通点を見つけクラフトビールが飲めるお店に行こうよとのお誘いが。

ハタチなんて女もオオカミだよね?心の中でガッツポーズしてたな(昭和かよ)


よく話を聞くと、たくやくんは25歳で美容院の副店長だそう。

私は同業で美容師のちゃらんぽらんな所をたくさん見ていたせいで美容師って時点で構えてしまっていたけど、彼はなんだか不思議でふわふわしていて時間がゆっくり流れる感じの、え?本屋か花屋で働いてるよね?と言いたくなる感じだった。(語彙力は限界のようだ)


そこから2週間に1度デートに誘われ飲みに行くことが続いた。

話していて楽しいし、お酒の趣味も合うし、イケメンだし、最高なんですけど!!!!!!

でも彼女いるのか聞いてない!!!というか聞けない!!!距離詰めすぎたら嫌われる?いや、こんなに頻繁に誘ってくるならさすがにいないよね?


恋愛オオカミ期な私は飲み友なのか、恋愛対象なのかよくわからない状態に悶々としていた。


そんな時、お店じゃなくて俺の家でカラーしてあげるよ!お金かからないし!と。

キタァ!!!!!!!!!

遂に家に忍び込むことに成功。


たくやくんは料理も趣味だそうでご飯を作ってくれた。

作っている後ろから手伝うよ〜!なんて!カップルじゃないのこれ〜!

映画見ながらお酒も飲んじゃってカップルじゃないのこれ〜!今日の下着は気合入ってますよぉ〜!


彼の作ってくれたパスタとカルパッチョをたいらげると

お風呂入っておいでー?

オオカミ小娘、歓喜。


この3ヶ月間飲みデートを重ね、昼間のランチもクリア。

遂にお家にお呼ばれして手料理を振る舞ってもらい至れり尽くせり。

そろそろアクションがあってもおかしくない。なんたってベッドはひとつしかないのだから。

そう思ってドキドキしながらお風呂に入っていた。


お風呂から上がってゴロゴロしていると私としたことがソファーでうたた寝をしてしまったのである。

はっとして起きると彼はブランケットを手に取っていて

ベッドで寝ないと風邪ひいちゃうよ?

と優しくベッドに連れて行ってくれた。




が。




がしかしだ。




起きたら朝だったのだ。





私は睡魔と戦いながらも彼がベッドに来るのを待っていたのだが一向にこない。

気付いたらそのまま寝てしまっていた。


次の日はお互い仕事だったので2人で駅まで行って別れた。


やはりただの飲み友だと思われていたショックと、手を出されないショックで頭がパンクしそうだった。

その日は食欲がない、、と言いながらパンケーキを貪った記憶がぼんやりある。


そこから半年。


ふとラインの友達欄を見るとたくやくんのアイコンは女の人とのツーショットになっていました。


彼女とうまくいっていない間の繋ぎだったのか、仕事に没頭していて彼女を作る気がなかったのか、はたまた私が恋愛対象外だったのか(それだよって言わないで)

わからないけど

この世の中の男性諸君に伝えたい。


抱ける時に抱いておきなさい。


え?これなんの話?


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