7.七夕に思う (2029)
(天の川 梶の音が聞こえる 彦星と たなばたつめとが 今夜会うらしいよ)
巻10 2029
旧暦では今日が七夕らしい、ということで七夕の歌を一つ。
秋の歌として七夕の歌がずらりと並んでいるなか、特に心に残ったのがこの歌だ。
七夕の夜に舟をこぐ音がきこえる、という客観的なところがいい雰囲気を出している。
街がすっかり明るくなってしまい、新暦の7月7日が梅雨と重なってしまうこともあって、天の川銀河を目にする機会は少なくなってしまった。私も、小学校の移動教室のときに「あれが天の川だよ」と教えられて見た気がするが、なにやらぼんやりとしていて、言われてみれば少し明るいかなぐらいの感想しか持たなかった。
それでも、星座を巡る伝説と短冊に願い事という習慣が残っているのはありがたいことだ。何を書こうかな、と迷う時間はけっこう楽しかった。
旧暦のままでは夏休みに埋もれてしまうが、新暦の7月7日に移ったことで行事が今まで続いているのかもしれない。
夜の明るさに天の川の姿は見えなくても、耳をすませてみれば彦星が妻のもとへ通う、舟の梶の音が聞こえてくるかもしれない。
一年に一度だけ許された彦星と織姫の逢瀬。二人の幸せを願ってやまない。
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