5. ユーモアのある夫婦(3117・3118)

問答歌

かどてて したるを いづくゆか いもて いめえつる

かどてて したれど 盗人ぬすびとの れるあなより りてえけむ


(門があり 戸も閉めてあったのに いったいどこから あなたが入ってきて 夢に出たのか)

(門があり 戸も閉めてあったが 盗人が 掘った穴から 入って夢に出たのでしょう)

巻12 3117番、3118番


最初の歌は、男が妻を夢に見、起きてからそのことを妻に知らせた歌である。このとき、ただ夢に見たことを伝えるのではなく、「門があり、戸も閉まっていたのにいったいどこから入ってきたのだろう」と不審がる。それに対して、妻は機転を利かせ「盗人が掘った穴から入ったのでしょうよ」と答える。男も妻もユーモアがあるが、妻のほうは特にノリがよい。夫もこの返事を見てクスリと笑ったことだろう。





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