2.ただ一人恋い焦がれる、片思いの苦しみ(2649)

あしひきの 山田やまだをぢ 蚊火かひの 下焦したこがれのみ あがらく


([あしひきの] 山の田を守るお爺さんが 焚く虫よけの草がくすぶっているような ただ一人隠れて焦がれるだけの そんな恋を私はしているのだなあ)

巻11 2626番


おそらく恋をした相手に初めて声をかける前の、いわゆる片思いの状態なのだろう。「虫よけの草がくすぶっているような 焦がれるだけの恋」という表現はとても分かりやすく、的を射た譬えだ。まさにいま片思いをしているこの身には作者の感情がひしひしと押し寄せてくるのである。

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