第20話 待機 時間

彼らがが装甲空母セイニャールで待機していたころ、アフリカ大陸では大規模な奪還作戦が進行していたのだった。


実は切込みを入れた翌日の9月13日からRAの陸軍部隊が大量の戦車と機動戦車を投入し、エジプト・アルジェリアなどの北部に位置する国の奪還作戦が開始されていた。


そうして9月28日、アフリカ大陸最北部から切込み部分までの国を奪還したのだった。


ちなみに切込みを入れた時敵は何が起こったのかを理解出来ず戦線の再構築までに時間がかかってしまったらしい。


今は北緯5°で敵の陣地が構築されている。

至る所に舗装されたアスファルトの道路には敵の新たな戦車部隊や補給部隊、さらには短距離離陸が可能な中型爆撃機などが続々と集結していたのだった。


そして9月30日にRA-AFの偵察部隊が撮ってきた写真にはコンテナに格納されていくTSF-01が写っていた。


さらに10月2日。

新たに送られてきた写真には敵のエースパイロットの機体が写っていた。

前回乗っていた機体とは丸っきり違うが、施されているカラーリングは同じなので"あの部隊"で間違いないだろう。


セイニャールで待機していたウォーソード隊にも続々と有能な偵察部隊からの写真が送られてきており、隊員たちは関心していた。


そうして待機をしていると10月12日、新たな情報が送られてきた。


内容としてはRAが新型戦車を投入した。と言う物だった。


200mm滑空砲を載せた車体を時速90km程度で移動させると言う脅威の動力性能を持っていると言うことだ。


そして投入した日は3日前の10月9日だった。


投入直後から遠距離での戦闘で成果を上げ続け、被弾をした部隊もいるがまだ1両も撃破されていないという。


戦闘は夜間でも続けられた。


敵陸上部隊は暗視装置がなく目視でなんとか狙わなければならなかった状況で、M601 leopardo Mk.8は高解像度の赤外線暗視装置と高度な射撃官制システムを備えていたおかげで一方的に戦況を有利に進めた。


12日現在は北緯5°線から南緯9°線まで進行し、そこに仮拠点を設けているらしい。


仮拠点と言いながらもジェット機が離着陸できるような滑走路も準備されている。


そして文面の最後には


「10月15日、セイニャールから仮拠点:ガヤンへ移動せよ。」



長かった待機任務もこれで終わる。


15日ガヤンヘいち早く着くために装甲空母セイニャールは透華艦長の指揮の元、ベルデ岬諸島からアセンション島へと航路をとった。

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