第18話 continue 再戦
1956年9月10日
こんにゃくおろしからウォーソード隊宛に手紙が届けられた。
「1956年9月12日10:15:00にアフリカ大陸中部に"切り込み"を頼む。やり方は自由だ。作戦終了後はそのまま大西洋で待機している第4空母打撃群を率いる装甲空母、セイニャールに着艦をしてもらう。その後の任務はおって知らせる。」
これを書いたのは首相だろう。
多分首相は元タリバリン中隊員が生きていたと国民に知られてしまうと国内が"荒れてしまう"事を分かっているのだろう。
だから他のおろしシリーズを通じて手紙を送ってきたのだろう。
この手紙に書かれている"アフリカ大陸中部"とはスーダンから大西洋側までの国がある場所をさしているのだろう。
スーダンにはRA-AF 第4基地が存在しているため、そこを先に取り返したいのが最初の目的なのだろう。
しかしスーダンからでなくても、エジプト西戦線からアルジェリアへ奪還作戦を開始すればアルジェリアに建設されているRA-AF 第6基地を奪還でき、オマケに海軍の支援やエジプト西戦線から流れてくる陸軍の支援も満足に受けられるはず…
なぜ…
9月12日10:15:00
ウォーソード隊はきゅうりおろしから新型機を受け取った。
名は"FXS-01"
FXSはこれからきゅうりおろしが制作していく戦闘機の事でその試作1号機の改修型らしい。
現在は第5世代機に分類されているがきゅうりおろしによると量産化されると"第5.4世代機"になるという話だ。
そしてきゅうりおろしから
「大事な試作機改修型だ、この戦争が終わるまで傷つけないで沢山のデータを取っておいてね!」と言われた。
きゅうりおろしに言われると絶対に成し遂げなければと思ってしまう所がある。
それで今まで戦って生きて帰ってこれたのだから。
FXS-01はエンテ型の機体で垂直尾翼がない代わりに水平尾翼が45°に取り付けられ水平尾翼と垂直尾翼の役割をこなし、部品点数の削減・重量軽減が図られていると言う工夫が見られる一機だ。
隊員たちはタキシングを行い、順次離陸して行った。
静止状態からフルスロットル状態へと移行した機体はこれまでの機体よりも早く加速し僅か4秒で離陸可能速度へと到達した。
離陸速度へ達した機体を宙へ浮かせるため、パイロットは手に握っている操縦桿を手間へと少しずつ引いていく。
それに応えるかのように機体が瞬時に反応した。
離陸した機体は離陸して行った方向へと真っ直ぐ飛び、透き通るような青の空に消えていった。
今の彼らは何を思ってその操縦桿を握っているのだろうか。
誰のために空に上がるのか。
彼らが空へ行く意味を私たちが考えても意味など無いだろう。
再び彼らは立ち上がる。
タリバリンではなく、《戦殺しの剣》。
ウォーソードとして。
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