第16話 夢空 ただの夢なのか

1956年9月3日


首相は先月27日にタリバリン中隊が生きていたという報告を受け、救助部隊と偵察部隊・護衛部隊をそれぞれ編成しエジプトへ向かわせた。


同日16:00:00


偵察部隊とその護衛部隊は西部戦線上空で7機の機影を見つけた。


偵察部隊は7機に近づき無線で通告した。


「我々はRA国空軍の偵察部隊である。お前たちの所属を教えろ」


そういうと1番機と思われる機体が真横にきた。

偵察部隊の機体と1番機の翼の距離は約50cm、異常な接近のしかただ。

その後質問に1番機は答えた。


「こちらはRA国空軍所属タリバリン中隊である。」


「タリバリン中隊、了解。では、本国に戻っていただきます。」


偵察部隊の1人がそう言うと1番機はそれを受け入れた。


偵察部隊・護衛部隊の1部はエジプトでの活動を続け、残りの部隊でタリバリン中隊を本国へ送った。


同日17:35:07


エジプトからそれなりの時間をかけアラビア半島で1番大きい空軍基地である「RA-AF第一基地」へと無事に護衛をした。


格納庫近くには首相のだいこんおろしやその他のおろしシリーズが居た。


護衛部隊のパイロット達はタリバリン中隊員達を囲み・首相の前まで連れてきた。


「私はこの国の首相を務めております、だいこんおろしです。以後お見知り置きを」


首相は丁寧に出迎えた。


「貴方達はタリバリン中隊の方々ということでよろしいですか?」


そういうと"仮面を付けたラニーニャらしき人物"が1歩前に進んだ。


「私たちはタリバリン中隊ではありません。」


「…え?」


首相は困ったような顔をして見せた。


「で、でも私は妹たちからタリバリン中隊の事、貴方達のことを聞いていました!そ、それこそ貴方はラニーニャさんですよね?!」


首相は少し慌てて話た。


「いいえ違います。私はウォーソード中隊中隊長のRです」


"ウォーソード中隊"や"R"と聞き首相は困惑してしまった。


そして遂には…


「私!タリバリン中隊の皆さんと一度お話がしたかったのですけどね!!」と半分泣きながら言った。


でも


「でも、生きていたというのは本当に嬉しいです!」


Rは泣いた後の首相の笑った顔を見て少し紅くなった。


「…分かりました」


「…?」


「おろしシリーズの皆さん、ここは首相と私だけでお話をさせてもらいたいのですが…」


そういうと少し迷った後におろしシリーズは立ち去った。


それを見たRは格納庫の裏へ首相と6人を連れて行った。


周りはダンボールだらけ

埃はつもりに積もっていてとても首相に居て貰うにふさわしい場所ではないと思いながらもRは話を切り出した。


「先程私の部隊はウォーソード中隊と言いましたが…あれは嘘です。」


「嘘?」


「そうです。完全な嘘ではありませんが…」


「そうですか……でもどうして?」


「私たちはあの日、死んだ事になっているはずです。同じ中隊名で活動することで彼らが私たちを狙いここに直接乗り込んでくるかも知れないからですしね…」


Rはウォーソード中隊という存在しないはずの中隊名を使っていた事を明かした。

そして…


「それと、先程私のなはRと名乗らせて頂いていましたが…」


Rは仮面を外した。

その先の姿は…


「ラニーニャ…さん??!!」


「そうです。私がウォーソード中隊1番機Rこと、元タリバリン中隊1番機のハンヴェラ・ラニーニャです。」

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