第12話 本命

セネガル沿岸に到着した3機は予定どうり3方面に散開した。

ウェンズ機は西サハラ&モーリタニア・マリへ、ハイヤー機はマリ南部バマコ周辺からブルキナファソ・ニジェール&ナイジェリア北部・チャドへ、ラニーニャ機はギニア・リベリア・コートジボワール・ガーナトーゴ・ベナンナイジェリア南部・カメルーン北部・中央アフリカ共和国へと、各国上空にいる敵機を殲滅して行った。


途中でアルジェリアやリビアに建設された空軍基地にて補給を行った。


そして1週間後の2月8日


3機がスーダンへ飛んだ。


「久しぶりだな、ラニーニャ!」


「無事だったみたいだな、ハイヤー」


「ラニーニャさん!ここにいたんですか!」


「あぁ、ウェンズも大丈夫そうだな!」


「えぇ。途中被弾しそうになりましたがね」


「まぁ、2人が無事だったから良かったよ!」


現在3人はスーダンに建設された第6空軍基地にて補給と休暇を取っていた。


この空軍基地は本国に近い事もあり、施設の仕様も本国に近くなっている。


今のうちに現在の戦況を知らせておこう。


この2ヶ月間でRA国はアフリカ大陸の北半分の領空を確保した。

これはタリバリン中隊員達の活躍のおかげである。

陸軍は北側から徐々に南下を始め、現在確保出来ている領空の範囲の限界まで来ている。

海軍についてはアフリカ大陸周辺に空母打撃群が展開しており、敵艦隊からの攻撃に即対応出来るようになっている。


そして1955年6月19日、突然戦線が動き始めた。


スーダンに集められたタリバリン中隊員7名は順次離陸して行った。


「なぁ、ラニーニャ。何があったんだろうな」


「さぁな。私も上からは何も聞いていないからな。後で分かるんじゃないか?」


「フッ、それもそうだな!」


離陸して23分後…


「こちら第6空軍基地、タリバリン中隊応答を求む」


「こちらタリバリン中隊1番機ラニーニャだ。」


「テイン・ストケル国の居場所が判明した。今から指示する場所へ直ぐに飛んで行ってくれ!」


「了解した!」


テイン・ストケル国(TS国)の場所が判明したようだ。


TS国は南アフリカ・ナミビア・ジンバブエ・マラウイ・モザンビーク5カ国からなる国家であり、このTS国は1950年に膨大な土地と共に建国された新国家だった。


敵エース中隊の部隊名は「カイル」


カイルはエースパイロット7人からなる中隊であり、全員がタリバリン中隊員と並ぶ実力となっている。


最初の無線からさらに1時間後…


「こちら第6空軍基地、応答を求む」


「こちらタリバリン中隊1番機ラニーニャだ」


「たった今きゅうりおろしから敵ミサイルの解析が終了したと報告がきた。敵ミサイルは対戦車榴弾、すなわちHEAT弾を応用した空対空HEATミサイルだ。君たちが今乗っている機体では防御力が足らず、一撃で落とされる危険性がある。被弾は極力避けるようにしてもらいたい。こちらからは以上だ」


「了解した。お前たち、今の無線を聞いていたと思うがもう少しで本土決戦だ。気を引き締めかかれ!」


「「了解!」」


タリバリン中隊がTS国へ向かう所をはるか上空から監視していた者がいた。


「こちら、YS。目標の中隊を発見した。このまま監視を行う」



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