第10話 アフリカ大陸西部攻略

1月30日


第1空軍基地からアフリカ大陸西部空域に戻ったラニーニャはウェンズ・ディレクティブ・ガルタージョとゼッペン・ハイヤーの2人と合流した。


「ラニーニャ、1度大西洋側に展開していた空母打撃群に着艦しよう。燃料も大分消耗してるからな」


「分かった。詳しい居場所はお前たちが知っているんだろ?」


「そうだ。後ろから着いてきてくれ」


「了解だ」


こうして大西洋側に展開していた第4空母打撃群に向かった。


RA国海軍が展開させている空母打撃群は現時点で4つだ。


自国周辺海域に第1空母打撃群

インド洋に第3空母打撃群

太平洋に第3空母打撃群

そして、大西洋に第4空母打撃群の4つだ。



45分の飛行を経て第4空母打撃群の中核を担うラディシュマナ級装甲空母4番艦セイニャールに着艦した。


セイニャールの全長は325mで飛行甲板も広々としていて航空機が発艦しやすいようになっている。


事前にセイニャールにタリバリン中隊員が着艦すると聞いていた作業員が甲板上に帽子を振りながらたっていた。


着艦したあと作業員が3人に寄りかかり、握手を求めてきた。


どうやら海軍にもタリバリン中隊という名は広まっているようだ。


「私達はもう有名人だな!」

ラニーニャはそう言い、2人も

「そうですね!」

と言い笑った。


戦闘機の燃料補給と整備をしている間に3人はセイニャールの客間に案内された。


「こちらでお待ちください。後ほどお飲み物もお持ち致します。」


「了解した。ありがとう。」


案内役の佐藤さんが飲み物の準備をしに行った2分後に客間の扉が開かれた。


「タリバリン中隊員の方、初めまして。この艦艇の艦長を担う星音透華せいんとうかと申します。この通り、この艦艇を艦長を担うお人は女性であります。」


そういうと星音艦長は純粋な笑顔を見せた。


「どうもこちらこそ初めまして。タリバリン中隊1番機のハンヴェラ・ラニーニャです。よろしくお願いします!ほら、2人も言うんだよ!」


ラニーニャが少し強い口調で2人にそ言うとハイヤーとウェンズが説明を始めた。


「いや、俺たちにその必要は無いですよね」


「そう、ハイヤーが言う通り私とハイヤーは初対面じゃないんだよ。ラニーニャが本国に帰投したとき、私たちの機体もそろそろ燃料が切れそうだったので昨日お世話になっていたんです。」


「ラニーニャさん、ハイヤーさんとウェンズさんが言う通り昨日はこの第4空母打撃群にて補給を行っていたのです。本国に連絡せず申し訳ありません。」


星音艦長は深々と頭を下げた。


ラニーニャはそれを見て慌てて「頭をあげてください!謝る必要などありませんから!」とフォローを入れた。


ありがとうございますと星音艦長が言うとラニーニャは質問をした。


「星音艦長、なぜこの第4空母打撃群が大西洋にいるのですか?」


「詳細は軍規ですのでお伝え出来ませんが、上層部は大西洋を重要視しているのです。上層部が重要視する場所に第4空母打撃群は大西洋に派遣されたのです。ここで中隊員の皆さんと会うのは偶然ですけどね。」


「大西洋…なるほど、だいたい察しが着きました。」


「凄いですね!詳細など1つもお伝えしていないのですが…」


「少し、思い当たる節があるんですが…あえて言いません」


「教えてくれないんですか?ラニーニャさんは少し意地悪ですね!」


星音艦長がそういうと2人は笑った。


「明日も出撃すると聞いていますので、今日はゆっくりと身体をお休め下さい。」


「ありがとうございます!」


星音艦長は「では」とだけ言い、部屋を出た。


部屋には星音艦長との会話の最中に静かに置かれた暖かいコーヒーの匂いが充満していた。


ふかふかベットに腰を預け落ち着いて飲むコーヒーは全身を温め、眠気を促進させてくれる。


数人が共同生活するには十分な快適差がある客間で3人は雑談をし、ふかふかベットに全身を預け、その日を終えた。

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