第4話 エジプト奪還作戦

1955年1月2日、エジプトが敵により占領されている事が分かった。

同盟国であるエジプトが堕ちたのはこちらの危機管理に落ち度があったからである。


上層部と数多あまたの会議を経て遂にエジプト奪還作戦が開始されるのであった。


もちろんその作戦にはタリバリン中隊が含まれている。


ちなみにこの作戦には空軍だけではなく陸軍の協力もある。

陸の方はこんにゃくおろしが直々に指揮をする様だ。


エジプト奪還作戦はまず陸軍の先行部隊が偵察、同時に空軍の高高度偵察機を用いて2面から偵察をし正確な敵の位置を把握する。


その後、空軍と陸軍の同時進行が始まる。


空軍はエジプトの領空を奪還し、後に地上部隊の支援を行う。

タリバリン中隊達が乗る機体は制空戦闘機で対地攻撃には向いていないが、固定武装の高火力のバルカン砲2基で敵の装甲車、戦車をも貫徹出来るはずだ。


陸軍はエジプトの文化遺産や世界遺産に傷をつけないようにしなければならなく、非常にシビアな戦闘を強いられる。


だが、空軍が活躍すれば陸軍の進行もスムーズになる事だろう。


そして1月12日。

エジプト奪還作戦が発動される。


タリバリン中隊の7人は8時の出撃に備えて30分前から戦闘機に乗り込んでいた。



出撃2分前になった。


するとラニーニャが突然口を開いた。

「お前ら気おつけろよ」

と言い

6人は皆、「今更何を気おつけるんだよ」と言っていた。


するとラニーニャは少し強めに


「敵エースパイロットとこの戦線で戦うかもしれない。だから、敵エースが出てきたら私に任せて欲しい。」

と言った。


英樹ヒデキ

「ラニーニャがそう言うなら相当ヤバい奴なんでしょうなぁ。」と言い、ラニーニャの言葉を信じた。


他の隊員も同じくラニーニャの言葉を信じた。


そんな事を話していると出撃の時間となった。


8:04分、タリバリン中隊全機が滑走路に並び8:05分。


遂にエジプトへ旅立った。


9:12分エジプト上空。

敵の戦闘機群がレーダーに映った。


タリバリン中隊は即座に散会し、各々で敵を撃墜し始めた。


11:00頃になり1度第一空軍基地へ帰還し、燃料と弾薬の補充を行った。

そしてまたエジプトへ飛びだった。


そして18:00時丁度に"ヤツ"が現れた。


RA全機に敵エースパイロットからの無線が飛んできた。


「私はハンネス・ゼクトール。ラニーニャ、私と戦え!」


ヤツはそうとだけ言って無線を切った。


ラニーニャは「言われなくても分かってるよ!」とだけ言い、全速力で向かった。



エジプト上空約5000m。


そこで1対1の空中戦が始まった。


「こうやって夢空で会うのは初めてだったかな?ラニーニャ大尉」


「あぁ、初めてだよ。それと貴様の事もあの後こんにゃくおろしに聞いたよ。」


「なら良い、では始めよう。」


18:09分

戦闘が始まった。


「どうした、仕掛けてこないのか?」


「……」


「なら私から行くぞっ!」


最初に仕掛けたのはハンネスだった。


前方でいきなりクルビットを始め、ラニーニャの後方へ着いた。


背後を取られたラニーニャはブレイクし、距離を取る。


ハンネスはその動きを見逃さず、フルスロットルでラニーニャの未来位置に向かってきた。


「な、なんなんだコイツ!しつこく追ってくるぞ!」


ラニーニャはスプリットSとループを組み合わせ、ハンネスの背後を取ろうとする。


しかしハンネスはシャンデルをし、ラニーニャはハンネスの背後を取り損ねた。


2機は距離を置き、無線を交わす。


「なんだ、タリバリン中隊1番機のレベルはこんなものか?話と違うなぁ!」


「お前こそ私が思ってたより随分と実力があるようじゃないか!」


「ハハッ!敵にそんな事を言われるなんて俺も舐められたものだな!」


ハンネスがそういった直後にラニーニャの後方へ接近し、対空ミサイル2発を発射。


回避行動を取り、ミサイルを避けた後に「タリバリン機動」を実行。


通常の機動の何倍ものスピードでハンネスの背後をを取り、AAM-858B(対空ミサイル)を2発発射した。


ハンネスが必死に回避機動を取るがミサイルの「超機動」によりハンネスの機体に直撃し、爆散していった。



「はぁ…はぁ…はぁ………すぅ……はぁ…」


ハンネスとの戦闘で気力を消耗したラニーニャはタリバリン中隊全機に無線を飛ばした。



「こちらのタリバリン中隊1番機ラニーニャ大尉だ。タリバリン中隊に継ぐ。全機帰投せよ。敵エースとの交戦は終了した。」



10分にも及ぶ空中戦。


1対1の空中戦。


機体の全性能を生かし、戦い抜いたラニーニャは少し嬉しそうだった。




しかし、ラニーニャの微笑みももう少しで消える。



「さぁ、続きだ」

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