第4話

マリンに付き合わされて、あっちこっち周った。


バック売り場、玩具売り場、CD売り場、楽器売り場・・・

でも、何も買ってない。

まさに、ウィンドウショッピング。


でも・・・

何だか、楽しい。


線路を挟んで、全くの別世界。

向こう側は、水平線が広がっている。


マリンとは、今日初めて会った。

その瞬間から、まだ数時間しか経っていない。


でも、なぜだろう?

随分前から、知っている気がする。


・・・気のせいだろう・・・

多分・・・


そうこうしているうちに、時間だけが過ぎて行く。


「お兄ちゃん、クレーンゲーム得意?」

マリンが声をかけてきた。


「昔は、得意だったけど、最近のはアームが弱くて・・・」

「じゃあ、あれとって」


いつの間にか、ゲームエリアに来ていた。


久しぶりに来た気がする。

懐かしい。


マリンが指差したのは、権利の関係で本名は明かせないが、

世界一有名な、ネズミのぬいぐるみ。


同じく世界一有名な、白いビーグル犬はたまに見るが・・・


「はい。100円。ワンチャンスね」

「ああ」


マリンから、100円を渡される。

それを入れて・・・


取れるかな・・・

とりあえず、掴めた。

でも、大抵ここで、落ちる。


でも、そのまま進んで行き、投入口へ・・・落ちた。


取れた・・・久しぶりに・・・


「はい。マリン」

僕は、それをマリンに渡す。


「ありがとう。お兄ちゃん。ずっと大事にするからね。ずっと・・・」


ずっと・・・か・・・


えっ?ずっと?

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