僕の彼女は輝く

陽夏

第1話

僕は悠空(ゆあ)19歳の大学1年生だ。


僕はこの名前が大嫌い。この名前は女の子みたいだ。

この名前のせいで中学高校といじられてきた。

「お前は名前が女の子だから女の子だ。」「変な名前w」こんな言葉は聞き慣れた。

今日から新しい大学生活が始まる。

また同じいじりが始まるのかと思うと嫌になる。

それなのになぜ大学に行くのかというと、先日行われた入学式で一人の女性が話しかけてきてくれた。

その子は陽葵(ひまり)同じ19歳の大学1年生

僕は人が信じられなかった。でも、陽葵は僕の名前を笑うことなくいい名前だと言ってくれた。

それが何となく嬉しかった。

僕は彼女と会うために大学にきちんと行くと決めた。

4月18日、今日は大学に入ってから科目を決める日。理系と文系に分かれる。

「彼女はどっちかなぁ」

と考えながら数学が好きだったため理系を選択をした。その後教室へ移動した。

教室を見渡しても彼女の姿はなかった。

文系に進んだのだろうか…

いつもと変わらない日常を過ごしていた僕に転機が訪れた。

翌週、教室に向かうとなんとそこには彼女がいたのだ。

僕は目を疑った。

何故先週はいなかったのだろうか…

そう考えているとある話を耳にした。

彼女は入学式から授業が開始するまで入院をしていたらしい。

((入院))この言葉に敏感に反応した僕は何か病気を持っているのか。という風に考えていた。

その日の移動教室、僕は気づいた。

彼女は入院していたせいか友達を作る機会を逃し、周りの人でグループが出来上がっていた。

僕も授業1日目隣の席に座っていた零斗と仲良くなりいつも一緒に過ごしていた。

そこで、僕は1人の彼女を見て勇気を振り絞り声をかけてみた。

「あの、同じクラスの佐藤悠空です。良ければ一緒に行きませんか?」

「僕は悠空の友達の中谷零斗です。」

「あ、ありがとうございます。私は吉井夏稀(なつき)です。仲良くしてください。」

僕らはこう挨拶を交わし、移動教室へ向かった。

その日から僕らは毎日共に過ごしていた。

授業終わり遊びに行ったりランチしたり楽しい日々だった。

ある日、夏稀が大学に来なかった。

僕と零斗は夏稀が心配になり連絡をとった。

「夏稀!どうした?大丈夫か?」

メッセージを送ってみるもののなかなか既読は付かず、返信が来たのは夜だった。

「ごめんね、大丈夫だよ。ただの風邪✌️」

この時僕らは気づかなかった。

その夏稀のメッセージの✌️の意味を。

その日から何日も夏稀は大学へ来なかった。

連絡をとっても

「大丈夫だよ✌️」

と返信が来るばかり…。

僕は少し嫌な予感がした。

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僕の彼女は輝く 陽夏 @haruka810

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